経営お役立ちコラム
経営者の最も重要な役割は「経営」をすることではありません。
「ビジネス」をすることです。このことは、特に創業期から成長期
にかけての企業において最もあてはまります。
このテーマで、実在の企業の事例をもとに再構成したストーリーを、
今回から3回にわたってお届けします。
第1回の今回は「人の活かし方」で悩んでいる社長の事例です。
◆ 夜型クリエーターの時間管理は
A社は創業2年目のウェブ制作会社です。社長のF氏は、大手広告
代理店から独立した、優秀なグラフィックデザイナーです。独立後、
F社長の才覚で大口の受注も獲得し、業務が急拡大しています。
従業員も10名を超えて増え続けています。
今までA社では、給与規定もきちんとせずにきましたが、そろそろ
いろいろな不…
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12/12/23 09:47 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
椎木忠行
1.財務計画の2つの切り口~トップダウンとボトムアップ
財務計画作成のプロセスは、トップダウンアプローチとボトム
アップアプローチの2方向に大きく分けられます。
トップダウンアプローチとは、まず長期的に達成すべき目標値を定め、
それをいかに達成するかを考えるやり方。反対にボトムアップ
アプローチでは、日々の売上見込みなどを積み上げた結果、計画期間
にどれだけの成果を達成できるかを見極めることになります。
トップダウンアプローチでチェックすべき事項は、やはり事業の
魅力度です。平たく言えば、「その事業は儲かるのか」ということ。
売上規模や利益額は、創業者自身だけでなく、金融機関や投資家に
とっても魅力的に映るものでなくてはなりません。
売上・利益だけでなく、経営の…
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12/12/09 08:42 | カテゴリー:
資金繰り、金融 | 投稿者:
椎木忠行
1.何から手をつけるべきか
前回、事業計画書の一般的な構成として次の8つの項目を提示
しました。
(1)エクゼクティブサマリー
(2)創業の経緯
(3)経営陣
(4)業界/市場の展望
(5)製品/サービスの特徴と優位性
(6)財務計画と資金需要、使途
(7)タイムテーブル
(8)リスクファクター/問題点とその対策
実際に事業計画書を作成する際は、おおむね以下の流れに沿って
進めていきます。
(4)(5)→(6)→(8)→(7)→(1)(2)(3)
ここで重要なのは、各ステップは常にそれ以前のステップで検討
した内容との整合性を確認しながら進めていくということです。
場合によっては、計画全体の見直しを迫られる事態も頻発するかも
しれません。逆に、辻…
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12/11/25 09:46 | カテゴリー:
マーケティング | 投稿者:
椎木忠行
起業にあたって必要とされる「事業計画書」。本連載では3回に
わたって、何を・どの順番で考え、どう形にしていくか、その手順
や留意点について解説します。第1回は、事業計画書はなぜ必要か
について、解説します。
(1)誰のための「事業計画書」?
事業のスタートアップに欠かせないとされる「事業計画書」。
ですが実際には、融資審査などで必要に迫られて作成するケース
が多いのではないでしょうか。また世の中には、そうした審査を
クリアすることを目的とした事業計画書の書き方についてのセミナー
や書籍も数多く存在しているようです。
「審査のために仕方なく」というのはさすがに極端なケースですが、
多くの創業者が、事業計画書は「他人に事業を説明する」ための
ツールと認識しているこ…
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12/11/11 10:00 | カテゴリー:
資金繰り、金融 | 投稿者:
椎木忠行
最終回の今回は、中小企業におけるIT導入の留意点、対応策を
筆者の失敗を含む経験からまとめてみます。
留意点の第一は、中小企業は全社プロジェクトが初めてか、
取組み経験が浅く、方法論に疎いことです。その典型が、第一回目
に申し上げた、基本設計書の内容確認・合意・承認の未実施です。
確かに、小規模開発や部分的開発であれば、テスト確認用のものを
まずは作成した上で、それを叩き台に議論しながら作り上げていく
方法もあります。しかしながら、会社全体もしくは複数部署に
またがるシステムについては、作るべきシステムの概要を文書に
落とし込み、それを関係者で確認し合うことで、漏れや不整合を
防ぐべきです。こうしたことは、中小企業診断士により、方法論や
適用手順についての的確なアド…
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<div>2回目の今回は、効果をあげたシステム化の事例を中心にお話し
します。3年にわたり悩まされた販売システムの不具合が落ち着いて最初
に行ったことは、標準品(カタログ品)の売上増を目的とする
インターネット受注システムの改善強化です。X社は景気の低迷も
あって売上が伸び悩んでいました。ところが、圧倒的なシェアを誇る
ライバル企業は、インターネットの利便性を訴えることにより、
売上げを伸ばしていました。商品数は50万品目を超え、商品コードは
最大100桁にもなりますから、発注(受注)の入力負荷、入力ミス
を考えれば、インターネットの利便性は明らかです。ところが、X社では、形ばかりのインターネット受注システムは
開発したものの、受注の大半は、電話とFAXで行われていました。…
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本稿の目的は、中小企業におけるIT化の効果が極めて大きいこと、
しかしながら、そうした大きな効果を享受するためには、いくつかの
セオリーがあり、セオリーに沿わないとすれば、逆に、危機的状況を
招きかねないこと、この二点を筆者の体験で、お示しすることに
あります。
筆者は、8年前に、中小企業としてはやや大きめの資本金2億円強の
製造業X社にシステム部長として入社し、開発が泥沼状態であった
販売システムを悪戦苦闘の末に何とか完成させました。
とは言え、まかり間違えれば倒産しかねない状況でありました。
また、完成したシステムは品質が3年にわたり安定せず、開発を
委託した最大手コンピュータ企業Y社の開発子会社(社員数2千名強)
社長に直接面談して強く善処を申し入れる等のこと…
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ここでは、実際に企業へ資金稼ぎなどの目的で反社会的勢力が
押し掛けてきた場合の基本的な対応について述べていきます。
この場合に重要なことは、あくまでも冷静に対応することです。
彼らの手口は、一般の社会人が持っている暴力団などのイメージを
悪用して、受け手に恐怖心を与えて自分達の不当な要求を押し
通そうとするものです。目的がお金ですから暴力を振るうことは
ありません。従って怖がらずに冷静に対応することが重要です。
(1)相手の身元を確認する
名刺をもらうか、住所・氏名・所属団体名・電話番号を確認します。
訪問カード、来訪者カードなどに書いてもらうと、イザというときの
証拠となり、指紋も活用できます。相手が応じない場合は、その場で
対応を打ち切ります。
(2)相手…
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12/09/16 08:19 | カテゴリー:
経営の法務 | 投稿者:
椎木忠行
暴力団排除条例は、全ての都道府県で制定されている条例です。
ここでは東京都の条例をもとに説明します。
暴力団排除条例の中で主として企業(事業者)に関係する部分は
「事業者の契約時の考慮事項」と「利益供与の禁止」の2つの事項
です。
1.事業者の契約時の考慮事項(第18条)
(1)事業者は事業の契約時にその契約が暴力団の活動を助長する
恐れがあると認識したときは、契約の相手が暴力団関係者でない
ことを確認するように努めること。
つまり業務の委託などの契約のときに、相手の身元がよく判らない
ときは暴力団関係者でないことを確認することが求められています。
但しこの規程は努力義務です。相手が暴力団員であるかの確認の
方法は、(3)で述べます。
(2)事業者が事業…
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12/09/02 08:05 | カテゴリー:
経営の法務 | 投稿者:
椎木忠行
ここでいう反社会的勢力とは、市民生活や企業活動に脅威を与える
組織のことです。反社会的勢力には暴力団や暴力団関係企業、総会屋、
悪質クレーマなどがありますが、その主なものは暴力団です。
企業の社会的な責任として、暴力団などの反社会的勢力に対しては
毅然とした姿勢でのぞむことが求められます。
本コラムでは、次の3点について解説します。
・反社会的勢力の実態と取り締まる法律
・暴力団排除条例の内容
・反社会的勢力への対応方法
1.暴力団対策法と暴力団の定義
暴力団を取り締まる法律として暴力団対策法(暴力団員による
不当は行為の防止等に関する法律:平成3年5月 以下暴対法とよぶ)
があります。
暴対法が制定された背景には次のようなことがあります。以前
から暴力団…
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12/08/12 10:27 | カテゴリー:
経営の法務 | 投稿者:
椎木忠行