経営お役立ちコラム
中小企業診断士・社会保険労務士の田名網です。中小企業の競争力強化と従業員の待遇改善を両立させる「業務改善助成金」について、その活用方法をご紹介します。
<業務改善助成金の背景と概要>
近年、最低賃金の引き上げ圧力や労働力不足、デジタル化の推進など、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。これらの課題に対応するためには生産性向上が不可欠ですが、多くの中小企業では資金不足が取り組みの障壁となっています。
業務改善助成金は、このような状況下で中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、従業員の賃金引上げを促進するための制度です。生産性向上のための設備投資等を行いながら、事業場内最低賃金(※)を最低30円以上引き上げる企業に対して助成が行われます。
<2024年度の支給額と…
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1.はじめに
「今年こそイノベーションに着手する!」と一度は思い立った中小企業は数多くあるのではと思います。2021年の東京商工会議所調査(注1)によれば、都内中小企業の約70%は既に何らかのイノベーションに着手しています。一方で、差別化に繋がる“革新的イノベーション”となると約30%であり、さらに“新商品・新事業開発に関するイノベーション”は約21%程度にとどまっています。また、外部連携してイノベーションする場合の相手先として、「異業種」「提携先」「大学・高等教育機関」「研究機関」などを“これまで以上に新たに連携を希望する相手”と回答する割合が他を大きく上回っています(注2)。このあたりに経営者の期待と悩みが垣間見てとれます。
2.企業活動のどの分野からはじめるのか、特別な着想が必…
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1.はじめに
2020年の国の脱炭素宣言から、官民挙げた“脱炭素“の動きが加速しています。これに伴い、国や自治体から様々な補助事業が打ち出され、環境分野は新たなビジネス領域として注目を集めています。中小企業にも脱炭素経営への取り組みが求められると共に事業機会が増えつつありますが、脱炭素経営とは具体的にどのようなものでどこから取り組みに着手すればよいのでしょうか。
2.そもそも脱炭素経営に取り組む必要あるのか?
経済産業省によれば、中小企業の約70%が何らかの形で経営に影響を及ぼすと考えているものの、80%は対策を立てていない状況です(注1)。その理由としては、コストが高い、規制やルールなど対応に関する情報が乏しい、自社経営には関係ないと考えている、などが挙がっています。必要性は感じ…
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◆健康経営とは
経済産業省のHPでは、健康経営とは「従業員の健康保持・増進の取り組みが将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と表現されています。
また健康経営を推進する政策の代表的なものに「健康経営優良法人の認定制度」があり、企業規模に関わらず健康経営への関心は高まっています。
◆中小企業で健康経営が求められる背景
健康経営の取り組みが求められる背景として、下記3点が挙げられます。
①少子高齢化
現役世代の人口は年々減少傾向です。そのため企業が今後も存続するためには、新たな労働力確保だけではなく既存従業員の生産性向上が不可欠です。
②採用難航
採用についても、大学…
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事業承継を考える経営者にとって、親族内に後継者候補がいる場合と、そうでない場合では、悩みが大きく異なります。
前者は、「どう後継者に継ぐか?どう教育するか?」となり、
後者は、「誰に継ぐのか?どう継げばいいのか?」という悩みになります。
円滑に親族が事業承継してくれたのは、もはや過去の話。多くの経営者の悩みは、後継者不在です。データを見ても、2025年において70歳以上になる経営者の割合は、60%以上になり、そのうち約半分は後継者未定(後継者が決まっていない…
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(1)はじめに
中小企業等の、電力会社との契約が高圧小口電力需要家に対して、
電力需要抑制の取り組みを促進するために、エネルギー管理
システム(BEMS)導入促進事業費補助金が、平成25年度末
までの予定で実施されています。中小企業事業者にとって、福島
の原発事故以来の節電への協力はもちろんのこと、電気料金の
値上げ等により、経営面からもエネルギーコストの削減は重要度が
増しています。補助金を活用した電力量の削減にむけて、補助金
制度の概要をご紹介します。
(2)制度の背景
電力需要の視点から、中小ビル等の高圧小口需要家(契約電力
50kW以上500kW未満)は日本全国で約77万口あり、
全国の電力使用量の2割を占めています。また昼間に限れば、
使用電力…
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地域需要創造型等起業・創業促進事業に関する補助金制度に
ついてご紹介します。
地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業、既に事業を
営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から
事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出する
第二創業、また、海外市場の獲得を念頭に事業を興す起業・創業を
支援することにより、地域における需要創出並びに中小企業・
小規模事業者の活力の向上を促すことで、経済の活性化を図る
ことを目的として、これらの起業・創業、第二創業を行う者に対して、
その創業事業費等に要する経費の一部を補助する事業が、
「平成24年度地域需要創造型起業・創業促進事業」です。
本年3月から現在まで二回の募集が行われており、第一回募集
…
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