経営お役立ちコラム
中小企業経営
 事業承継は、経営者にとって自ら進退に関わることなので意思決定の中でも最も難しい経営判断のひとつになります。とはいえ、事業承継を先送りにしていると打つ手が限られるばかりであり、後回しにして良いことはありません。

 経営者が、今まで築きあげた会社を次の世代に残すためにも事業承継と向き合ってはみませんか。

 

■事業承継計画の立案方法とポイント

1.事業承継の進め方

 事業承継の進め方は、大まかに「現状の整理」→「後継者の確定」→「事業承継計画策定」の手順となります。現状の整理として、財務状態、株主構成、経営者個人の資産、家系図、親族の状況、後継者候補の有無、経営状況などの情報を収集して整理します。会社の状況に応じて後継者を検…

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17/04/30 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当
競合先と差別化しようというときに、つい「値下げ」を考えがちな方はいませんか?2回にわたって経営の現場で使える管理会計の考え方をご紹介してきましたが、最終回の今回は、値下げが利益に与える影響の大きさについてふれたいと思います。

売上高=価格×販売数量なので、ふつう値下げを行う場合は、価格を下げ販売数量を増やして、売上高を維持または増加させようとするでしょう。しかし最終的には売上高だけでなく、手元に残る利益の確保が不可欠なはず。ではどの程度販売数量を増やしたら値下げ前と同じ利益を得ることができるのか、具体例に試算してみましょう。

1個500円の弁当を製造販売している個人経営の弁当屋を考えます。単純化のため弁当1個あたりの総経費は450円とします。弁当1個を販売すると利益が50円出る状…

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16/10/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当
 

受注するときにどこまで値引きするかは、経営者にとって大事な判断です。売上は欲しい
が損もしたくない。そんな時、売るか見送るかの判断基準として「限界利益」の考え方
が役に立ちます。

いま商品Xを受注生産している会社があり、1個当たりの総費用(原価)は1,000円、その
内訳は以下の通りとします
・変動費:600円(材料費、外注加工費など、生産量に伴って増減する費用)
・固定費:400円(労務費、減価償却費など、生産量に関わらず一定金額発生する費用)
なお固定費は、商品Xをフル生産したときの生産量で固定費総額を頭割りし、1個当たりに
配分した金額です。

ここで1個800円なら10個買いたいという注文が来たとします。10個分の生産余力は十分
あります…

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16/10/01 16:11 | カテゴリー:,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
財務会計と比べて管理会計は何かつかみどころがない、どう使っていいかピンとこな
い、と感じる方が多いようです。しかし経営の現場では、会計的な数字をもとに複数の
選択肢を評価し、判断する場面が日々発生します。その際、正しい意思決定をするため
に管理会計が役に立つのです。今回から3回に分けて、現場ですぐ使える管理会計の基
本的な考え方をご紹介します。

今回は管理会計で特に重要な2つの費用の概念をとりあげます。一つは埋没費用。サ
ンクコストとも言い意思決定には影響しない費用です。そしてもう一つが機会費用。
他の選択肢から得られたはずの利益を意味し、こちらは意思決定に影響します。
具体例で考えてみましょう。

1個500円の弁当を1日平均1000個、製造販売している弁当屋がある…

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16/08/31 22:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当
銀行及びサービサーにて企業再生業務に携わってきた経験より、
小規模企業の企業再生についてまとめました。

さて、一般的に言われる企業再生手法としては私的整理、法的
整理含め、会社分割やM&A、DES/DDS等の金融・法的手法による
BS面のアプローチが主流となっております。しかし、小規模企業
の再生実務を考えた場合、これらの手法を適用するには少々無理が
あるでしょう。そもそもこれらの外科的手法は、中堅中小企業、
金融機関でも大口の融資先を対象としており小規模企業向けの手法
ではないのです。

それでは、小規模企業の再生はどう行うべきか。基本的には
今ある限られた経営資源の中でPLを改善していくことになりますが、
単なる売上改善策では再生は実現しないと考えます。再生企…

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14/02/28 05:59 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
事業を行う上で大切な目標の一つは利益を出すことである。
では会社を存続・発展させるために必要な“適正利益”を残すために
何をすればいいのだろうか?ズバリ、その答えは3つしかない。

1.売上拡大を実現する
2.限界利益率を改善する
3.固定費を削減する

この3要素を噛み砕いたものが“SPEC-A”である。
ここでそれぞれの意味を解説したい。

Sales:「売上」をいかに拡大するか
Profit:「利益」をいかに獲得するか
Expense:「経費」をいかにコントロールするか
Cost:「原価」をいかに管理するか
Activate organization:「組織活性化」をいかにして行うか

利益拡大を実現するためには、これらをコントロール、または変革
し…

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14/02/01 10:30 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
1.BCPとは?
「BCP(事業継続計画)」の策定とは、災害などの緊急時に行うべき行動や、
緊急時に備えて平常時に行うべき行動をあらかじめ整理し取り決めておくことです。
単なる災害対策ではなく、被災後に事業をどう継続させるかについての計画です。
たとえば、緊急事態に遭遇した時に、社長は適切な対応がとれるかもしれません。
しかし、社長が指示をだせない状況になったときに企業として対応がとれる
でしょうか? BCPは、企業のボトルネックを解消しようとする取り組みでもあり、
通常期の経営で考えるべき項目のひとつです。
ただ、起こるかどうかはっきりしないものに対しての計画となるため、
まずは身の丈にあった実現可能なBCPを策定し、それを積み重ねて行くと
よいでしょう。資金を必要とす…

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13/09/30 21:28 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
(1)知的資産経営報告書とは何か

最近、「知的資産経営報告書」なるものを眼にすることが増えて
います。しかし、そもそも、“知的資産”とは何なのでしょうか。
経済産業省等のホームページによれば、知的資産とは知的財産(権)
を含む広い概念であるとし、具体的には、知的財産(権)に加えて、
例えば、人的資産、組織力、経営理念、顧客とのネットワーク、
技能等を含むとしています。そして「知的資産経営報告書」作成の
効果のひとつとして、金融機関との良好な関係維持をあげています。
とするならば、多くの小規模企業にとっての課題であるポスト
金融円滑法対策ツールとして使えないものでしょうか。
そこで、「知的資産経営報告書」の活用について、述べてみます。

(2)知的資産経営報告書活用…

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13/08/31 08:30 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
実例をもとに再構成したストーリーでお届けする3回シリーズ。
最終回の今回は財務戦略で悩んでいる創業期の社長の事例です。

◆ 法人税ってこんなに払うの?

C社は都内の私鉄沿線に3店舗を展開する独立系の弁当店チェーン
です。2年前に開店した1号店が約半年で軌道に乗り、その後
2号店、3号店を次々と開店しました。年商は1年目の3千万円から、
2年目の今年度は1億円に迫る勢いで急成長しています。

社長のJ氏の悩み事はC社の唯一の役員である自分の役員報酬です。
決算月を迎えて、税理士に仮決算を出してもらったところ、法人税
を約300万円納めなければならないという結果になりました。
J社長にとっては初めての経験です。こんなに多額の税金を納め
なければいけないのなら、もっ…

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13/01/27 11:44 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
実例をもとに再構成したストーリーでお届けする3回シリーズ。
第2回の今回はIT導入で悩んでいる創業期の社長の事例です。

◆ IT化できるはずだが

B社はハウスクリーニングを主としつつも、お客様から寄せられる
さまざまな相談に応じて、壁紙やふすまの張り替え、各種塗装、
塀の修繕、廃品整理から小規模なリフォームまで請負っており、
いわば「ホームサービスのなんでも屋さん」です。創業わずか2年目
にして従業員6名、年商8千万円に届こうかという、成長中の会社です。
社長のH氏の今の相談事は、パソコンやインターネットをもっと
活用して仕事を効率化できないかということです。

(1)一日4~5件の案件が常に同時進行し、次々に例外処理が
発生する中、状況をH社長自身が的確に把…

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13/01/13 01:09 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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