経営お役立ちコラム
中小企業経営
高齢の経営者に代わる若い後継者を決めて事業を承継し、会社を継続・発展させることは、会社という独立した事業法人の観点からは中長期経営計画といえる。

株主の持分が分散しているため経営権をもって会社を支配する特定の株主がいない上場企業では、所有と経営は分離している。このような上場企業ではゴーイング・コンサーン(継続企業)が前提となっており、事業を途中で清算することなく、将来にわたって無期限に事業を継続することが原則である。経営者の若返りは、事業を永久に継続させるためのプロセスであり、中長期経営計画の一環と考えられる。

一方、中小企業ではオーナー経営者が会社を支配し、所有と経営は一致している。しかし、従業員の雇用、取引先の商取引の維持、顧客の要望などから、多くのオーナー経営者は引退後も事…

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10/06/17 23:23 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
M&A(企業の合併・買収)は上場している大企業が行う経営戦略
で、未上場企業である中小企業にとってはなじみが薄いイメージが
ある。
しかし近年、中小企業が関連するM&Aの件数は増加し、事業承
継の方法の一つとして定着してきている。

従業員の雇用の維持や取引先の仕事の確保のため事業を継続させ
る必要があるが、オーナー経営者の事業を引き継ぐ後継者が、子息
・子女、親族、社内外の人材にいないことがある。
こうした場合に、事業全体を他の会社に売却し、経営を委ねるこ
とがある。この場合のM&Aは、敵対的に他社に買収されるのでは
なく、自らすすんで買収先を探し、買収してもらうのである。買収
する企業側にとっては、事業を創業から育て拡大する必要がなく既
にできあがった事業を購入…

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10/05/20 13:22 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
オーナー経営者の子息・子女や、子息・子女以外の親族が事業の
後継者にならない場合、事業を継続するため、会社内の番頭格の人
材が事業を承継することがある。また、まれではあるが取引先や金
融機関から来てもらった社外の人材が後継者になる場合もある。
このような事業承継の方法における留意点として、次のことがあ
げられる。

1.
社内や外部の親族でない者へ事業を承継する場合は、親族内の承
継以上に、現在の経営者と後継者の意思を確認することが重要であ
る。
後継者本人に事業を継続・発展させる実践的な経営の力量が備
わっていることが前提ではあるが、事業を後継者に引き継がせると
いう現経営者の意思以上に、後継者が事業を承継するにあたっての
さまざまな状況を十分に理解したうえで、…

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10/04/20 12:58 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
中小企業のオーナー経営者の後継者は、一般に自社株式や事業用
資産の法定相続人である子息・子女である。
オーナー経営者に複数の子供がいる場合は、子供のなかから後継
者を一人決めることになる。そして、その後継者に会社の経営権が
承継されるよう、遺言によって自社株式や事業用資産を集中して遺
贈することになる。

しかし、後継者以外の法定相続人にも相続する権利があるため、
相応の対応を配慮しなくてはならない。
先代のオーナー経営者の遺産は、高額な評価価額となる自社株式
や事業用資産であることが多いため、その対応を誤ると、会社の経
営権をめぐって親族内の「お家騒動」に発展することがある。
親族内で事業承継した後継者の約8%は相続に際して何らかのト
ラブルを経験している、という…

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10/04/08 13:57 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
事業を承継するには、経営ノウハウや経営理念などのソフトな資
産と、自社株式や事業用資産などのハードな資産の両方を引き継が
なければならない。

事業を引き継ぐ後継者は、引き継いだ事業を継続し発展させるこ
とが求められるので、株主、従業員、取引先、顧客など会社関係者
の期待にそって事業を経営する能力を備えていなければならない。
現在の経営者がもっている経営ノウハウを承継し、テクニカルス
キル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルなどの経営能力
を習得しておく必要がある。
さらに、根本的なことではあるが、企業の存在理由である事業に
対する創業者の想い、信条といった経営理念や創業精神をしっかり
と承継しておくことが大切である。

自社株式や事業用資産の承継について述…

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10/03/23 10:28 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行
全国の企業数の99%、従業者数の70%を占める中小企業は、日本経
済の活力の源泉であり、地域経済が健全に発展するために欠くこと
のできない存在である。

この中小企業の多くが現在直面している構造的な問題に事業承継
がある。中小企業庁が実施したアンケートによると、中小企業経営
者の40%が事業を後継者に承継させるにあたって、何らかの障害が
あると考えている。事業承継が悩みの種となっているのである。

事業承継が問題となる背景には、中小企業経営者の年齢の高齢化
がある。全社長の平均年齢は、1982年の52歳から2004年の58歳へと
20年以上にわたって上昇を続けている。これは、高度成長期に20~
30歳で創業した中小企業経営者が引退時期にさしかかり、平均年齢
を引き上…

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10/03/23 10:25 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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