経営お役立ちコラム
読みもの
◆ はじめに

1980年代の円高、90年代の経済のグローバル化、2000年以降の少子高齢化による国内市場の伸び悩みなどを受け、海外子会社を設立し、事業展開することで活路を見出している企業が増加している。しかしながら、人材に余裕のない中小企業にとって、海外子会社の経営は、その国の法制、行政、労務、商慣習などが日本とは異なっていることもあり、極めて難しいといえる。そうした状況で海外子会社を上手く管理していくには、日本本社の踏み込んだ支援によりガバナンス体制を構築していくことが必要である。特に財務や人事などについては、現地任せにせず、本社できちんとルールを決め、確実にフォローすることが大切である。

筆者は、本社の海外子会社管理の責任者として多くの傘下子会社の運営管理を支援する立場にあっ…

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23/01/31 21:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
◆健康経営とは

経済産業省のHPでは、健康経営とは「従業員の健康保持・増進の取り組みが将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と表現されています。

また健康経営を推進する政策の代表的なものに「健康経営優良法人の認定制度」があり、企業規模に関わらず健康経営への関心は高まっています。

 

◆中小企業で健康経営が求められる背景

健康経営の取り組みが求められる背景として、下記3点が挙げられます。

①少子高齢化

現役世代の人口は年々減少傾向です。そのため企業が今後も存続するためには、新たな労働力確保だけではなく既存従業員の生産性向上が不可欠です。

②採用難航

採用についても、大学…

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22/12/31 21:00 | カテゴリー:, , ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
1.はじめに                                  
「勤務地・職務、全社員に明示求める 厚労省、ジョブ型促す 柔軟な人事とどう両立」
日本経済新聞2022年8月31日付朝刊のトップ記事の見出しだ。特定の仕事で働く「ジョブ型雇用」の広がりを受け、企業から全従業員に、将来の勤務地や仕事の内容を明示させる仕組みを検討するようだ。中小企業経営者にとって注目すべき点は2つ。1つは、この制度は規模を問わずすべての企業を対象とする見込みだということ。もう1つは、いわゆる「メンバーシップ型雇用」(※)から「ジョブ型雇用」への転換を経済成長の必要条件とする論調が強まっていることだ。
1つ目の注目点を受けて、中小企業経営者としては、経営面と実務面の両面で何らかの対応が必要とな…

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22/09/30 21:00 | カテゴリー:, , ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
1.はじめに
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は、世界のあらゆる組織において、リーダーシップの在り方を根本的に問い直した。著者の知る中小企業経営者においても、自らのリーダーシップへの自信がゆらいだ人が多い。前例のない事態に正面から向き合い、重要な決断を下し、従業員と会社を守っていたにも関わらず、である。
では、コロナは中小企業の経営者にどんな影響を及ぼしたのだろうか?リーダーシップをどのようにアップデートすれば、ウィズコロナ、ポストコロナと言われる時代において、従業員は経営者を支持し続けてくれるのだろうか?本コラムでは、筆者の経験とリーダーシップや社会学の知見を元に、上記の問いに答えていく。

2.リーダーシップはフォロワーシップの裏返し
まず、リーダーシップは、フォロワーシ…

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22/08/31 21:00 | カテゴリー:, , ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
前回はダイバーシティについて説明しましたが、今回は、最近ニュースで良く耳にする「ダイバーシティ経営」という用語を取り上げます。
広く一般的に使われているこの「ダイバーシティ経営」の意味は色々な解釈がありますが、ここでは経済産業省の定義「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」<sup><a href="#no1">注1</a></sup> をベースに、日本の状況について確認していきます。

◆日本国内企業のダイバーシティ経営の現状

ダイバーシティ経営を行っている日本国内企業は、現在どの位の事業者数なのでしょうか? 残念ながら、経営者へダイレクトに「ダイバーシティ経営」の有無についてヒアリングした結果…

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22/07/31 21:00 | カテゴリー:, , ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
◆1◆メディアで見聞きする「ダイバーシティ」

出勤前の支度をする慌ただしい朝、TVニュースからSDGsの解説が流れその説明に「ダイバーシティ」が多く使われていました。

NHKのインビューに蟹江憲史教授<sup><a href="#no1">注1</a></sup>は、“SDGsの17の目標の中には、「ダイバーシティ」という目標はありませんが、SDGs全体に通じる「誰一人取り残さない」という理念や、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」や目標17「パートナーシップで目標を実現しよう」など、SDGsの考えのベースには“多様性の尊重”があるため、「ダイバーシティ」という言葉を数多く用いて説明しているのです”と解説しています。

また電車やバスで移動中、スマホでWebニュースのお知らせ…

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22/06/30 21:00 | カテゴリー:, , ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
中小企業が最も迅速に海外に進出する方法として、同業種の撤退希望企業を土地、建物、設備、主要スタッフを引継ぎ、買収代金を一括で支払う『居抜き』で買収するという方法があります。いち早く海外進出をした部品供給先の企業から、一日も早く現地での供給をするようにと依頼された場合等がそのケースに該当します。

今回は、海外企業の居抜き買収のメリットとそのリスクについてインドネシア進出の事例をもとにご紹介します。『居抜き』買収は、リスクの事前チェック等、中小企業診断士をはじめとする専門家との十分な事前打ち合わせが必要です。

■「居抜き買収」のメリットとリスク
<メリット>
・供給先企業の要請に速やかに対応。
・土地/建物の価格設定を変えることで不動産取得税を節税。
・幹部社員はじめ現地人社…

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22/02/28 21:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
新1万円札への採用から2021年のNHK大河ドラマまで、昨今の衆目が高まる澁澤栄一。本稿では澁澤自身と著書「論語と算盤」から企業経営への示唆を求めてみたい。

 

1.論語と算盤

論語は、言わずと知れた孔子の言行の記録書で、儒教的道徳を説く。一方、算盤は金儲けを象徴し、一般には相容れない概念で、澁澤自身も「甚だ遠く」と評している。同時に澁澤は「甚だ近い」とも言い、続けて「利殖と仁義道徳は元来、共に進む」と説いている。つまり論語「か」算盤の二者択一ではなく、論語「と」算盤のどちらも犠牲にせず融合して「二兎を追う」挑戦をしたのである。このESGやSDGsに通じるコンセプトは当時独創的であったが、現代では広く支持されつつある。昨今の澁澤ブームには、社会が志向する方向が、澁…

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21/12/31 21:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
「知的資産経営[IAbM]エヴァンジェリスト育成実践コース」は6月16日(土)から城南支部において開講する専門分野エキスパート育成コースのひとつです。今回はこのコースに絡めて「知的資産経営」についてお話しします。

 

【知的資産とは】

「知的資産」が最も頻繁に受ける誤解は「知的財産」との混同です。1字しか違わないので大差ないと思うかもしれませんが、経営の視点から見るとまるで違った概念です。知的財産(以下知財)は法律で規定されているもので明確な基準があります。ここでは詳しい説明は省きますが、よく知られた特許権や商標権のほかに著作権なども含んだ11種類の知財が存在しています(特許庁ホームページ参照)。このうち特許庁が所管する特許権、実用新案権、意匠権および商標権の4つ…

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18/06/30 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当
食品スーパー、食品メーカー、農業、漁業など、食品に携わる事業者のみなさまはこれからさまざまな問題に直面し、解決しなければないことが予想されます。HACCPの義務化、少子高齢化による消費の減少、担い手の不足、原料資源の枯渇などです。

先日、支援が決定した、ある水産加工メーカーの社長から、これからの水産業界は資源が枯渇していく。この中で生き残りをしていくにはどのようなことが必要かという質問をいただきました。加えて短期的な取引ではなく、長期的に継続していく取引をお願いしたいということも依頼されました。その時にこんなことを話した記憶があります。

御社の一番の売りの商品は地元産の水産物のこれですよね、この商品は、よりブランド力を高め、高く売りましょう。また、こちらは産地から冷凍で入ってくる…

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18/05/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当

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