経営お役立ちコラム
フードチェーンコンサルタント養成講座について

食品スーパー、食品メーカー、農業、漁業など、食品に携わる事業者のみなさまはこれからさまざまな問題に直面し、解決しなければないことが予想されます。HACCPの義務化、少子高齢化による消費の減少、担い手の不足、原料資源の枯渇などです。

先日、支援が決定した、ある水産加工メーカーの社長から、これからの水産業界は資源が枯渇していく。この中で生き残りをしていくにはどのようなことが必要かという質問をいただきました。加えて短期的な取引ではなく、長期的に継続していく取引をお願いしたいということも依頼されました。その時にこんなことを話した記憶があります。

御社の一番の売りの商品は地元産の水産物のこれですよね、この商品は、よりブランド力を高め、高く売りましょう。また、こちらは産地から冷凍で入ってくるもの、何かひとひねり、ふたひねりしないと売れないでしょう。さらに、水産資源はこれから養殖の時代だと思っています。持続可能な養殖をどのように進めるか、これが大きな課題と考えています。今以上に産地とメーカー、消費者の連携が必要になっていくと思っています。この答えに対し、社長は納得していただき、意気投合した思い出があります。

 

多くの経営課題をひとつずつ改善し、前進していくためには外部の専門家の力を借りることも一つの解決方法です。私は40年以上、食品の製造、販売の現場に携わってきました。築地魚河岸の荷受けで働いていた叔父の影響で週1度は朝食を築地で食べるという生活を5歳から10歳まで続けてきました。無意識にこの頃より、食品のフードチェーン全体を見通してきたのかもしれません。今では食品関連企業に対して新たな販売先を支援する業務の引き合いを多くいただくようになりました。例えば、出身の生活協同組合と取引したい、百貨店と取引したい、スーパーマーケットや居酒屋と業務用などにと希望する取引先のバイヤーまで自分自身のコネクションで商品をつなぐことができるようになりました。そして、現在でも多くの販路としての食品関連企業を拡大しています。

このノウハウを多くの中小企業診断士に伝え、フードチェーン全体を支援していくコンサルタントを養成しようと考えました。今年、7月よりフードチェーンコンサルタント養成講座を立ち上げ、自ら講師として志を共有する中小企業診断士を育成していきます。この講座の特徴は、食品の製造の生産者、漁師、畜産農家から、食品メーカー、物流業、スーパーなどの流通業、飲食業まで見通せるコンサルタントを多く輩出していきたいと思います。出身業界の知識は詳しくても他の業界はよく知らないというコンサルタントはよくいます。さまざまな切り口で中小企業を支援する実務的な食品分野の専門性を持つ中小企業診断士を輩出していきます。

この講座を学んだ仲間が、多くの食品関連事業者の問題解決をはかり、日本、世界の食品関連事業者の未来を切り開いて進んでもらいたいと考えています。

山川 茂宏

18/05/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当

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