経営お役立ちコラム
最近、生成AIという言葉をニュースやSNSでよく見かけるようになりました。ChatGPTに代表されるこの技術は、社会に大きな変革をもたらすと言われ、世界中の企業がその活用に乗り出しています。しかし、AIに詳しくない方にとっては、「聞いたことはあるけど、どう使えばいいかわからない」というのが正直なところではないでしょうか。本コラムでは、AIの基本的な仕組みから、明日から使える具体的な活用方法まで、わかりやすく解説します。
AIとは、Artificial Intelligence(人工知能)の略称で、人間の脳が行うような学習や思考をコンピューターで再現する技術です。AIには様々な種類がありますが、現在最も注目されているのが「生成AI」です。生成AIの最大の特徴は、人間が思い描くアイデアや要…
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前回は、内外の食料需給状況を概観しつつ、食料価格高騰時代の到来について解説しました。今回は、このような時代をふまえた食品産業における中小企業の基本的な対策について解説します。
◆コストアップや価格転嫁の遅れによる利益率低下の対策
国内食料価格は当面上昇基調と推測され、継続的な対応の仕組み作りが重要となります。
【対策】仕入商品や原材料の見直し
仕入商品や原材料の見直しが対策となります。割安品、歩留率や汎用性が高い原材料を探索して置き換えます。探索方法は、既存仕入先での情報収集のほか、展示会やマッチングサイトの活用、地元の生産者や加工業者との直接交渉により、新たな仕入先開拓をする方法もあります。
また、商品別の収支データをもとにコストダウン効果の高いものを特定し、それ…
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◆はじめに
近年、食料価格高騰が食品産業において大きな問題となっており、その対策が喫緊の課題となっています。本コラムは二部構成で、今回は内外の食料需給状況を概観し、食料価格高騰の中小企業への影響について解説します。次回は食料価格高騰に対する中小企業での具体的な対策などについて取り上げる予定です。
◆食に関する世界の状況
◎世界の食料需要増加
世界の食料需要増加の根源的要因は、世界人口増加と経済成長と考えられます。世界人口は2022年に 80億人を突破し、2084年には約103億人とピークになると国連により予測されています(*1)。また、人口増加に伴い世界の経済成長率(実質GDP)も伸びていくことが推測されることから、世界の食料需要は当面増加していくものと考えられます。
◎世…
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■はじめに
DX(デジタルトランスフォーメーション)といった言葉も流行ってきており、日々の業務改善や意思決定のためにデータの活用をしたいと考えている企業は多いと思います。ただ、「いきなりAIや機械学習といわれても、高度なプログラミング言語の取得は難しい」、「統計学は大学で少しだけ学んだけど、実務ではまったく使ったことがない」と考えている方も多く、何から始めたらいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本稿では、現場で即活用できる「基本統計量」の考え方と、Excelを使った実践方法についてご紹介します。データに基づいた経営判断ができるようになることで、意思決定の質が一段と高まるはずです。
■基本統計量とは
基本統計量とは、データの傾向や特徴を数値として表したものです。中でも…
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■はじめに
我が国における中小企業は、全企業数の約99.7%、従業員数は全体の約70%、付加価値額は全体の約56%を占める地域経済や雇用を支える極めて重要な存在です。本稿では、中小企業白書を手がかりに、2015年以降の動向を中心に、中小企業の過去・現在・未来を概観します。
■ 2015年以降の動向からみる過去
2015年以降、中小企業白書では「人手不足の深刻化」「後継者難」「地域経済の低迷」など、複合的な経営課題に直面してきました。特に経営者の高齢化が進展する中、2023年時点で後継者不在率は54.5%となっており、事業承継の停滞が大きな社会課題として浮上しました。中には後継者が見つからずに黒字でもやむなく廃業する事業者も多く、地域経済の担い手の喪失が懸念されています。
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1. 香りがもたらすビジネス効果
心地よい香り(以下、アロマ)の力を活用したマーケティングは「香りマーケティング」と呼ばれ、近年導入する企業が増えています。アロマはストレスや疲労感の軽減、集中力の向上にも効果があると考えられ、接客業だけでなく、オフィスの生産性向上や健康経営にも活用されています。
2. 香りが脳にもたらす影響
香りが記憶や感情に強く結びつく現象を「プルースト効果」と呼びます。嗅覚が感情や記憶を司る大脳辺縁系を刺激することにより、他の感覚よりも感情や記憶に深く影響を与え、その香りに関連する印象を長期間にわたって記憶に残します。また、アロマは嗅覚を通じて自律神経にも作用し(*1)、これによりリラックス効果や集中力向上効果が期待されています。
3. アロマに…
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◆はじめに
そもそもリスクマネジメントとは何なのか?
少々古いが2016年の中小企業白書では「リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失等の回避又は低減を図るプロセスをいい、ここでは企業の価値を維持・増大していくために、企業が経営を行っていく上で障壁となるリスク及びそのリスクが及ぼす影響を正確に把握し、事前に対策を講じることで危機発生を回避するとともに、危機発生時の損失を極小化するための経営管理手法」と定義している。
最近では外注先の業務停止が及ぼす自社への連鎖的影響の拡大や、従業員の法令違反による品質問題の発生等の新たなリスクが顕在化しており、企業がリスクマネジメントを積極的に行うことが求められている。では、中小企業のリスクマネジメントの実態はどうであろうか?
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1.はじめに
「今年こそイノベーションに着手する!」と一度は思い立った中小企業は数多くあるのではと思います。2021年の東京商工会議所調査(注1)によれば、都内中小企業の約70%は既に何らかのイノベーションに着手しています。一方で、差別化に繋がる“革新的イノベーション”となると約30%であり、さらに“新商品・新事業開発に関するイノベーション”は約21%程度にとどまっています。また、外部連携してイノベーションする場合の相手先として、「異業種」「提携先」「大学・高等教育機関」「研究機関」などを“これまで以上に新たに連携を希望する相手”と回答する割合が他を大きく上回っています(注2)。このあたりに経営者の期待と悩みが垣間見てとれます。
2.企業活動のどの分野からはじめるのか、特別な着想が必…
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1.はじめに
2020年の国の脱炭素宣言から、官民挙げた“脱炭素“の動きが加速しています。これに伴い、国や自治体から様々な補助事業が打ち出され、環境分野は新たなビジネス領域として注目を集めています。中小企業にも脱炭素経営への取り組みが求められると共に事業機会が増えつつありますが、脱炭素経営とは具体的にどのようなものでどこから取り組みに着手すればよいのでしょうか。
2.そもそも脱炭素経営に取り組む必要あるのか?
経済産業省によれば、中小企業の約70%が何らかの形で経営に影響を及ぼすと考えているものの、80%は対策を立てていない状況です(注1)。その理由としては、コストが高い、規制やルールなど対応に関する情報が乏しい、自社経営には関係ないと考えている、などが挙がっています。必要性は感じ…
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◆はじめに
本は1人で読むもの。つまり「独」書であるという概念を打ち破るのが読書会です。テーマに沿った本を持ち寄って、コーチングの「傾聴」、ファシリテーションの「対話」、人的資本経営の「心理的安全性」を盛り込んだ手法です。所要時間は2時間ほど。事前に本を読んでこなくても大丈夫。参加のハードルが低いのが大きな特徴です。
◆中小企業を取り巻く課題
人手不足が深刻になるなか、中小企業が新規採用を行って人員を確保することはたいへんな困難を伴います。これからの時代は、ますます生産性を向上させ、限られた人員で業務をこなすという方針を採用しなければ、事業そのものが立ち行かなくなります。
さらに、新規事業や顧客の開拓、SDGsや対話型AIの登場など、次々とやってくる外部環境の変化にも対応して…
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