経営お役立ちコラム
一昔前まで、M&Aというと大企業が大企業を買収するような大型の案件であることがほとんどでした。例えば、大手銀行が国内の銀行を買収したり、大手通信会社が海外の携帯電話会社を買収したりと、当時の新聞やメディアで話題となったことが記憶にあるのではないかと思います。
これらは「自社の規模を拡大するため」、「新たな顧客を増やすため」といったように、買収する側の企業目線で語られることが多かったのですが、現在、M&Aは、会社を引き継ぐための手段として、つまり「売る側」の視点として注目されています。
これは、経営者の高齢化・後継者不足により事業の引継が円滑にできないという問題がクローズアップされてきていることにも起因しています。そこで、今回は『会社引き継ぎの1つの手法としてのM&A』という切り口…
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21/05/31 21:00 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
広報部 コラム 担当
このところのコロナ禍で「テレワーク」「リモートワーク」「ワーケーション」と言った言葉を最近よく耳にするようになりました。いずれも、働き方改革の一つとして以前からあった言葉でしたが、コロナにより密を控える状況が出てきたためにこれらの導入が大手を中心に一気に進んだ感じがあります。
1.テレワークとリモートワークの違い
テレワーク(telework)とリモートワークは会社の仕事を会社以外のところで行うこととして同じ意味で使われることが多いのですが、厳密にはその定義は少し異なります。
◆テレワーク(tele=離れている場所 + work=働く)
実は1980年代より使われている言葉で、総務省により「テレワークとは ICT と呼ばれる情報通信技術を活用し、場所や時間を有効に活用…
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21/04/30 21:00 | カテゴリー:
人事、人材活用 | 投稿者:
広報部 コラム 担当
IT用語というのは何かと分かりにくいもので、昨今でもDXやらIoTといった用語が紙面を飾らない日はありません。今日(2021年3月4日付)の紙面にも、エアコンにAIを使って見守りサービスを始めるとか、DXの推進で工場の人手を半分にするといった話がありました。今回はDXとは何か、それが必要になった背景と関連する用語について簡単に解説したいと思います。
■そもそも「DX」とはなんでしょうか?
「DX」とは、デジタルトランスフォーメーション(デジタル改革:Digital transformation)の略で、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、「ITの発達が人々の生活をあらゆる面でより良くしていく」というものです。「DX」の定義は明確に定まってお…
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東京商工リサーチの調査では、2020年の休廃業・解散企業の数は前年度比14.7%増で過去最高の4万9698件になりました。これは、もともと後継者難が課題となる中で、新型コロナウィルス感染拡大が追い打ちとなったためです。また、2021年予測でも休廃業・解散企業の数は5万3000〜5000件になり、これからは先行きが見通せず事業をたたむ「あきらめ型」が増えるとのことです。
診断士の立場としては、「事業継続を!」と言いたいところですが、検討に検討を重ねた結果、残念ながら会社が「廃業」となる場合も多くあります。私もちょうど昨年、祖父、父と2代にわたって経営してきた会社を廃業しましたので、その時の経験をもとに廃業の手順を説明したいと思います。
※ちなみに今回は、数名で経営していた小さな会社を想…
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(前号より続く)
3.ワークショップの提案
もう1つの提案はワークショップの実施です。前にもお話ししたように、社長一人が空回りして、社員の方たちのモチベーションが上がらないケースです。社長と社員との間にズレが生じ始めています。また本社の他に営業所が地方にあったりすると、社員の間にもズレが生じ、ベクトルを合わせる必要が出てきます。
そのために私はワークショップを提案する事があります。50人規模の会社であれば、6〜9名程度が適切でしょう。3名で2〜3チームができます。
ここで大切なのはファシリテーターの選定と、ゴールの設定です。ファシリテーターは社外の人間が適切です。大企業であれば、社長などの経営陣が参加することは避けますが、中小企業の場合、私はあえてオブザーバーとして出席いただ…
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21/01/31 21:00 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
広報部 コラム 担当
1.「家業」から、「企業」へ。
小規模事業者には当てはまらない話だと思いますが、30〜50人規模の社歴も長い会社で、社長一人が空回りしているケースに時々出会うことがあります。業績も停滞状況が続き、どうも社内の空気が澱んでいます。社員の方たちは、“やらされている感”満載で、元気がありません。
多分10人規模の会社であれば社長個人のリーダーシップで会社は成長していけますが、この規模ぐらいになると、なかなか難しいところです。経営者も、無意識のうちに家業意識が棲みついて、対処方法に困惑されています。プレーヤー意識が強く、どうもマネジメントや社内コミュニケーションを軽く見ているようです。
2.経営ビジョンの再定義を。
縁あって、そのような会社とお付き合いするとき、私は2つのこ…
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20/12/31 21:00 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
広報部 コラム 担当
新型コロナウィルス感染症は、日常の生活のあり方、働き方に大きな影響を与えました。2020年11月上旬時点で、春先に比べると落ち着いてきたとはいえ、まだまだ予断を許さない状況です。長期的には収束することが予測されますが、テレワークなどの働き方改革の推進はコロナ収束後も重要な課題となるでしょう。そこで今回は、「エンゲージメント」に着目し、Withコロナ時代の会社と従業員の関係性を考えます。
1.働き方の変化による効果と課題
新型コロナウィルス感染症の影響で、働き方は大きく変化しました。テレワークの浸透をはじめ、時差出勤や輪番出勤なども当たり前になってきました。特に話題が集まったテレワークに着目すると、厚生労働省の「テレワーク総合ポータルサイト」には、テレワークの効果として「業務生…
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新型コロナウイルスが流行する中、テレワークは業界を問わず幅広い企業で導入されています。特に情報通信業、金融業、保険業などの業界は顕著です。プログラムの作成や保険商品の勧誘など1人だけで作業を進めることができ、また成果が目に見えやすい業務が適しているようです。業界により向き不向きはありますが、テレワークを進展させるためには、社内のコミュニケーションを円滑にすることが鍵となります。
今回は、その点に着目したビジネスチャットツールについてご紹介します。
テレワークでは社員同士が直接顔を合わせて話すことができません。そのため、別の形でのコミュニケーションが必要となります。電話では音声のみのため対面のように深い議論ができないからです。代替手段として「Zoom」や「Skype」などのW…
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事業承継を考える経営者にとって、親族内に後継者候補がいる場合と、そうでない場合では、悩みが大きく異なります。
前者は、「どう後継者に継ぐか?どう教育するか?」となり、
後者は、「誰に継ぐのか?どう継げばいいのか?」という悩みになります。
円滑に親族が事業承継してくれたのは、もはや過去の話。多くの経営者の悩みは、後継者不在です。データを見ても、2025年において70歳以上になる経営者の割合は、60%以上になり、そのうち約半分は後継者未定(後継者が決まっていない…
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新聞やメディアで、「SDGs」という用語を見聞きする機会が増えています。SDGsは「持続可能な開発目標」の略称で、国連加盟193か国が2030年までに達成を目指す17の目標です。最近の調査によれば、20代以下の若年層で認知度が高まりつつあり、特に学生の45%以上がSDGsを知る時代になりました<sup>(*1)</sup>。中小企業でもSDGsを経営に取り入れ、商品やサービスの開発、社員のモチベーション向上等で成果をあげた事例が知られています。
筆者を含む診断士グループは本年3月、診断協会の調査・研究事業として中小企業のSDGs経営推進をテーマに報告書をまとめました<sup>(*2)</sup>。今回はその中で提唱した「SDGs経営推進フレームワーク」をご紹介します。
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