新型コロナウイルスが流行する中、テレワークは業界を問わず幅広い企業で導入されています。特に情報通信業、金融業、保険業などの業界は顕著です。プログラムの作成や保険商品の勧誘など1人だけで作業を進めることができ、また成果が目に見えやすい業務が適しているようです。業界により向き不向きはありますが、テレワークを進展させるためには、社内のコミュニケーションを円滑にすることが鍵となります。
今回は、その点に着目したビジネスチャットツールについてご紹介します。
テレワークでは社員同士が直接顔を合わせて話すことができません。そのため、別の形でのコミュニケーションが必要となります。電話では音声のみのため対面のように深い議論ができないからです。代替手段として「Zoom」や「Skype」などのWeb会議ツールがあります。活用している企業は多いです。確かにWeb会議は場所を選ばす打ち合わせができる便利なツールではありますが、音声と映像を介したコミュニケーションであるため、文字として記録が残りにくいです。また、先輩や同僚にちょっとした質問や相談をするために、いきなりWeb会議で招集するのも仰々しく感じるかも知れません。
Web会議の短所を補うため「電子メール」を併用している企業も多いですが、メールはリアルタイム性が低いです。そのため、テレワーク環境下では従来では起き得なかった不安が発生します。「相手が読んでいるのか」「回答がいつ返ってくるのか」「宛先を間違えてはいないか」など、疑心暗鬼になりがちです。友人や仕事仲間とのコミュニケーションが疎遠な状態では不安が増すばかりです。
そこで紹介したいのが「ビジネスチャットツール」です。チャットとは英語で「おしゃべり」という意味で、短いメッセージを頻繁にやりとりするツールです。身近なものでいえば「LINE」。ただ、LINEなどは友達同士の1対1のコミュニケーション(=日常会話)を前提としています。それに対し、ビジネスチャットツールは、会社内での複数人でのコミュニケーション(=検討や相談など)が前提となります。そのため、グループ内の情報共有や検討を容易にするための機能が強化されています。例えば、部門やプロジェクトチームなど固定的なグループを作ることはもちろん、テーマごとの検討会や連絡網など流動的なグループも瞬時に作成することができます。グループを作り、社員リストから対象となる人を選び招待するだけです。そのグループにチャットツールのようにメッセージを発信するだけで、複数人とのコミュニケーションが可能になります。メールに比べ、様々な利点があります。
1.気軽に利用できる
メールでは「お世話になっています」などの形式的な挨拶を書く必要があり、
言い回しにも神経を使います。
ビジネスチャットツールだと、いきなり用件を伝えても良い暗黙のルールがあります。
また絵文字の利用で話しやすい雰囲気になります。
2.迅速に情報共有ができる
送信側も受信側もリアルタイムでメッセージを確認することができます。
また受信したメッセージの開封確認をスタンプで知らせる、
自分がパソコンの前から離席しているなどを全員に伝えることもできます。
3.情報漏えいリスクが低い
メールは、複数人に送る度に「宛先」を間違えないように注意を払います。
また、CC、BCCなども気をつけなければなりません。
ビジネスチャットツールはグループへの「招待制」であるため、
意図しない宛先に送ってしまうという情報漏洩リスクも低いです。
長瀬 勝好