経営お役立ちコラム
(1)知的資産経営報告書とは何か
最近、「知的資産経営報告書」なるものを眼にすることが増えて
います。しかし、そもそも、“知的資産”とは何なのでしょうか。
経済産業省等のホームページによれば、知的資産とは知的財産(権)
を含む広い概念であるとし、具体的には、知的財産(権)に加えて、
例えば、人的資産、組織力、経営理念、顧客とのネットワーク、
技能等を含むとしています。そして「知的資産経営報告書」作成の
効果のひとつとして、金融機関との良好な関係維持をあげています。
とするならば、多くの小規模企業にとっての課題であるポスト
金融円滑法対策ツールとして使えないものでしょうか。
そこで、「知的資産経営報告書」の活用について、述べてみます。
(2)知的資産経営報告書活用…
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13/08/31 08:30 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
椎木忠行
(1)はじめに
中小企業等の、電力会社との契約が高圧小口電力需要家に対して、
電力需要抑制の取り組みを促進するために、エネルギー管理
システム(BEMS)導入促進事業費補助金が、平成25年度末
までの予定で実施されています。中小企業事業者にとって、福島
の原発事故以来の節電への協力はもちろんのこと、電気料金の
値上げ等により、経営面からもエネルギーコストの削減は重要度が
増しています。補助金を活用した電力量の削減にむけて、補助金
制度の概要をご紹介します。
(2)制度の背景
電力需要の視点から、中小ビル等の高圧小口需要家(契約電力
50kW以上500kW未満)は日本全国で約77万口あり、
全国の電力使用量の2割を占めています。また昼間に限れば、
使用電力…
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地域需要創造型等起業・創業促進事業に関する補助金制度に
ついてご紹介します。
地域の需要や雇用を支える事業を興す起業・創業、既に事業を
営んでいる中小企業・小規模事業者において後継者が先代から
事業を引き継いだ場合などに業態転換や新事業・新分野に進出する
第二創業、また、海外市場の獲得を念頭に事業を興す起業・創業を
支援することにより、地域における需要創出並びに中小企業・
小規模事業者の活力の向上を促すことで、経済の活性化を図る
ことを目的として、これらの起業・創業、第二創業を行う者に対して、
その創業事業費等に要する経費の一部を補助する事業が、
「平成24年度地域需要創造型起業・創業促進事業」です。
本年3月から現在まで二回の募集が行われており、第一回募集
…
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今回は、コーチングの要素として3番目に重要な「認める力」に
ついて解説します。
【認める力とは】
コーチングでは、「人間の可能性は無限」という前提条件を置いて
います。その可能性をうまく引き出してやるのがコーチングです。
その中で、「認める力」は、「聴く力」「問う力」に続き、3番目に
重要なものです。「認める」という言葉の語源は、「見(る)」と
「とめる」です。つまり、「認める」というのは、「相手のことを見て、
心にとめる」ということなのです。
上司が部下を動かそうとする時には、通常は「命令する」という
形を採ると思います。確かに、上司には組織から与えられた権限が
ありますから、上司の命令は聞かなくてはなりません。しかし、
「命令」だけですと、部下は理屈で…
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13/03/10 10:01 | カテゴリー:
人事、人材活用 | 投稿者:
椎木忠行
前回はコーチングの基本的要素について解説しました。
基本的要素とは「信じること」「認めること」「任せること」です。
これらを実現するための具体的スキルは三つあり、それぞれ
「聴く力」「問う力」そして「認める力」に分類することが出来ます。
今回は「聴く力」と「問う力」について解説していきます。
【聴く力とは】
経営者にとってコミュニケーションは重要なスキルです。では、
「コミュニケーション」とは一体何でしょう?コミュニケーション
とは本来双方向のやり取りであり、自分の事を話すだけではなく、
相手の言う事にも耳を傾けて双方向で言葉を交わすことで、相互理解
を深めることが必要です。それを実現するためのスキルが「聴く力」
なのです。
■ 「聞く」と「聴く」の違い
…
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13/02/23 11:54 | カテゴリー:
人事、人材活用 | 投稿者:
椎木忠行
【はじめに】
企業経営において必要な資源は「ヒト」「モノ」「カネ」ですが、
その中でも最も重要なのは「ヒト」です。経営資源に制約がある
中小企業の場合、「ヒト」の育て方・使いこなし方の巧拙が業績に
与える影響が大です。
本連載では、「コーチング」というスキルの紹介を通じて、いかに
「ヒト」を育成・活用し、企業の成長に繋げていくかについて解説
します。
【コーチングとは】
コーチングは、人の可能性に制限を設けずに信じ、その人の個性
を尊重しつつ信頼関係を築き、自律的な行動を促すためのコミュニ
ケーション手法です。企業においては、経営者から見て、部下を
効果的に育てていくためのアプローチということになります。
「人を育てる」と聞くと、まず「トレーニング」とい…
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13/02/10 09:35 | カテゴリー:
人事、人材活用 | 投稿者:
椎木忠行
実例をもとに再構成したストーリーでお届けする3回シリーズ。
最終回の今回は財務戦略で悩んでいる創業期の社長の事例です。
◆ 法人税ってこんなに払うの?
C社は都内の私鉄沿線に3店舗を展開する独立系の弁当店チェーン
です。2年前に開店した1号店が約半年で軌道に乗り、その後
2号店、3号店を次々と開店しました。年商は1年目の3千万円から、
2年目の今年度は1億円に迫る勢いで急成長しています。
社長のJ氏の悩み事はC社の唯一の役員である自分の役員報酬です。
決算月を迎えて、税理士に仮決算を出してもらったところ、法人税
を約300万円納めなければならないという結果になりました。
J社長にとっては初めての経験です。こんなに多額の税金を納め
なければいけないのなら、もっ…
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13/01/27 11:44 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
椎木忠行
実例をもとに再構成したストーリーでお届けする3回シリーズ。
第2回の今回はIT導入で悩んでいる創業期の社長の事例です。
◆ IT化できるはずだが
B社はハウスクリーニングを主としつつも、お客様から寄せられる
さまざまな相談に応じて、壁紙やふすまの張り替え、各種塗装、
塀の修繕、廃品整理から小規模なリフォームまで請負っており、
いわば「ホームサービスのなんでも屋さん」です。創業わずか2年目
にして従業員6名、年商8千万円に届こうかという、成長中の会社です。
社長のH氏の今の相談事は、パソコンやインターネットをもっと
活用して仕事を効率化できないかということです。
(1)一日4~5件の案件が常に同時進行し、次々に例外処理が
発生する中、状況をH社長自身が的確に把…
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13/01/13 01:09 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
椎木忠行
経営者の最も重要な役割は「経営」をすることではありません。
「ビジネス」をすることです。このことは、特に創業期から成長期
にかけての企業において最もあてはまります。
このテーマで、実在の企業の事例をもとに再構成したストーリーを、
今回から3回にわたってお届けします。
第1回の今回は「人の活かし方」で悩んでいる社長の事例です。
◆ 夜型クリエーターの時間管理は
A社は創業2年目のウェブ制作会社です。社長のF氏は、大手広告
代理店から独立した、優秀なグラフィックデザイナーです。独立後、
F社長の才覚で大口の受注も獲得し、業務が急拡大しています。
従業員も10名を超えて増え続けています。
今までA社では、給与規定もきちんとせずにきましたが、そろそろ
いろいろな不…
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12/12/23 09:47 | カテゴリー:
中小企業経営 | 投稿者:
椎木忠行
1.財務計画の2つの切り口~トップダウンとボトムアップ
財務計画作成のプロセスは、トップダウンアプローチとボトム
アップアプローチの2方向に大きく分けられます。
トップダウンアプローチとは、まず長期的に達成すべき目標値を定め、
それをいかに達成するかを考えるやり方。反対にボトムアップ
アプローチでは、日々の売上見込みなどを積み上げた結果、計画期間
にどれだけの成果を達成できるかを見極めることになります。
トップダウンアプローチでチェックすべき事項は、やはり事業の
魅力度です。平たく言えば、「その事業は儲かるのか」ということ。
売上規模や利益額は、創業者自身だけでなく、金融機関や投資家に
とっても魅力的に映るものでなくてはなりません。
売上・利益だけでなく、経営の…
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12/12/09 08:42 | カテゴリー:
資金繰り、金融 | 投稿者:
椎木忠行