経営お役立ちコラム
組織を変えるきっかけ、「ワークショップ」の活用について

1.ワークショップとは?

近年、ワークショップは新しい学びのスタイルとして学校の授業
や企業研修などに取り入れられています。講義など一方的に知識を
伝達するのではなく、参加者同士が語り合い、また共同で何かを創る
活動を通して、気づきや学びを得るのがワークショップです。
社会には様々な情報が溢れ、人々が持つ価値観は多様化しています。
このような中でも社会が発展し続けるためには、人々がお互いの
価値観を認め、理解し合うことが必要になります。ワークショップは
このような相互の認知と理解を促進する場でもあるのです。

社会の縮図である企業でも同じような問題が起こっています。
顧客ニーズを把握することの難しさや組織における世代間の
コミュニケーションギャップなど、情報の氾濫や価値観の多様化を
原因とする課題が多く存在します。このような課題への取り組みに際し、
ワークショップの活用は一考の価値があるものです。

2.ワークショップの種類

ワークショップと言っても多くの種類が存在します。分類の仕方
には様々なものがありますが、本稿では以下の3つに分類しました。

(1)コミュニケーション活性化
組織のコミュニケーションを活性化するものです。参加者同士
の対話や共同での作業を通して、お互いをより良く知り、認め合う
ことを促進させます。ゆったりした雰囲気で話をしやすい場を
創ります。

(2)ビジョン・コンセプトの立案
企業のビジョンや商品のコンセプトなどを検討する
ワークショップです。主になぜそれは必要なのかという問いを
繰り返しながら、参加同士で話し合います。表面的な言葉ではなく、
参加者が真に思うことを引き出します。

(3)アイデアを創出する
新しい商品やサービス、その他のことについてアイデアを創出
するワークショップです。様々な道具や方法を用いて、一人では
考えつかないアイデアを参加者の共同作業によって創り出します。

3.ワークショップの実施について

ワークショップの実施には、経営層に近い責任者と社内の準備を
する事務局、加えてワークショップを実施するファシリテータと
なる人物が必要になります。

ファシリテータは、最初は経験や知識のある人物に任せるのが
無難です。ファシリテータとはワークショップという会議の議長で
あると思っていただくといいでしょう。また、ワークショップに関連
する情報は書籍やインターネットなどで手に入りますが、まずは
専門家を利用するほうが間違いがありません。

ワークショップを実施するにはファシリテータの他に、参加者、
一定の時間、実施する場所や設備が必要です。一般的には、研修の
準備と同じですが、ファシリテータの意向で、時間や場所について
異なる準備が必要になる場合があります。事前にファシリテータと
十分に話し合いをしておくことが必要です。

ワークショップで大切なことは、やはり実施する目的です。
これについては企業内で十分に話し合い、ワークショップを依頼する
ファシリテータとも共有しておきましょう。

ワークショップを実施した後には関係者が集まり、振り返りを
実施しましょう。ここでワークショップの後に続く活動を検討します。
ワークショップはあくまで、コミュニケーションを促進し、新たな
アイデアを出す「きっかけ」を創るプロセスです。ファシリテータ
にはワークショップの中身を任せ、ワークショップを活用するのは
企業内の人材である自分たちだ、という認識が大切です。

企業の組織を変え、新しい商品価値を生み出すきっかけとして、
ワークショップの活用を考えてみてください。

林 省吾

13/12/01 07:15 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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