経営お役立ちコラム
新市場開拓と利益を生み出す「ビジネスマッチングのすすめ」

1.新しいビジネスのあり方
 新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務(テレワーク)やTV・Web会議が拡大しビジネスに大きな変化の時を迎えています。この変化にすばやく対応し、ピンチをチャンスに変えていきましょう。

2.新規開拓はなぜ必要か
 過去に大手企業一社に過度に依存し、その企業からの受注が大幅に減り、経営危機に直面した中小企業が数多くありました。一社依存から脱却することが経営の安定と持続的成長への道を切り拓きます。事業のマルチ化、新市場開拓、新規事業発掘に前向きにチャレンジできるかがカギになります。

3.新規販路開拓
 昨秋、都内の展示会に足を運んだ時の話です。展示ブースの説明員が目を輝かせて、「この新製品は異分野の大学の先生と展示会で出会い、新しいビジネスのヒントとそれを実現できるパートナーを紹介されたことで商品化できました。全く考えていなかった異業種との出会いが新商品の出発点になりました。」と説明してくれました。その時、展示会や商談会は出会いの場であると実感しました。

4.新規調達先開拓
 利益造出のためには原価低減が必要です。従来の仕入先との価格交渉には限界があります。安く購入する方法は、新規調達先を開拓することです。昨夏、東北地方の農家向けビニールハウス内の空調設備を受注した企業A社の話です。このビニールハウスではきのこの菌床栽培を行います。A社はきのこの菌床を載せる鉄製の棚を西日本のB社から購入していました。材料コストと重量物である棚の運送費が高かったので、購入価格を下げて、農家への納入価格を1円でも下げたいと考えました。そんな折、著者に相談があり、候補先C社、D社、E社をピックアップ、3社の競合見積を行いました。A社は価格・納期・品質面で総合的に優位であった関東のE社へ発注を決めました。競合見積は原価低減の合理的な方法です。A社はE社と協力し、納期通り東北地方の農家に無事に納入することができました。原価低減に成功し、利益造出の道を拓くことができました。

5.ビジネスマッチングサイト紹介
 展示会、商談会、企業紹介は新規売上拡大、新規調達先発掘による原価低減、利益造出に有効な手段です。次にWebを活用した新たなビジネスパートナーとの出会いの可能性を高める「ビジネスマッチングサイト」を紹介します。
 次の3つのサイトは公的支援機関が運営している無料のWebサイトです。安心してご利用いただけます。

(1)商工会議所「ザ・ビジネスモール」
   新たな取引先との商談チャンスがつかめる(会員企業限定)
   https://www.b-mall.ne.jp/index.aspx

(2)(独)中小企業基盤整備機構「J-GoodTech」(ジェグテック)
   自社の技術、サービス、提案等を盛り込んだページ作成、多くの企業へ発信。
   中小企業13,000社、大手企業400社、海外企業6,000社が登録。
   https://jgoodtech.jp/pub/ja/about/

(3)「ビジネスチャンスナビ2020」
   東京都運営サイト。ビジネスパートナーを探したい、自社・商品をPRしたい、
   受注・発注したい等、全国32,000社が登録。(東京都以外の企業も登録多数)
   https://www.sekai2020.tokyo/bcn/

 上記サイトへの登録時には、商品、製品、技術、製造方法等のキーワードを数多く登録してください。お客様や将来のパートナーがキーワード検索をしたときに皆様の会社がリストアップされ、ビジネスチャンスが広がります。
皆様が、Webサイトを活用され、新たなビジネスの種をまき、芽を育て、実り多き果実を収穫できると確信しています。素晴らしい出会いへの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

<<執筆者>>

滝沢 典之(たきざわ のりゆき)
1987年中小企業診断士登録。2019年独立。認定経営革新等支援機関「滝沢コンサルティングオフィス」代表。経済産業省、中小企業庁、東京都、大田区の中小企業支援専門家、東京商工会議所正会員。人を大切にする経営、経営革新計画、起業・創業、販路開拓、ビジネスマッチング、ものづくりイノベーション、働き方改革、事業承継、復興支援を実践。「フレッシュ中小企業診断士による資格合格・活用の秘訣」(同友館)共同執筆。日本ボストン会幹事。趣味はマラソン。

20/06/30 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当

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