経営お役立ちコラム
成果でなく行動を管理する

営業力をアップさせる3つのポイントの第三回目は営業の行動力
をあげ、業績アップにつながる「成果でなく行動を管理する」です。
私の経験や最近感じている事について書いていきます。皆様の
会社の営業力アップに少しでもお役に立てれば幸いです。

1.営業にとって目標とは

営業にとって目標設定と行動計画設定は重要事項です。目標を
設定することで、達成するための行動計画が立てられます。計画を
立てることで、行動の検証が可能になりますし、その検証結果を次の
行動に反映することで、より大きな目標達成を期待できます。
しかし多くの企業が売上金額、営業利益率、粗利益率など数字目標
だけで営業を評価してしまい、どれだけ出来たのかという行動計画の
評価がありません。そのため同じ問題がいつも出てきたり、同じ課題
で行き詰ったりしている企業を多く見かけます。数字の目標はその時
の市況環境、お客様の状況、競合状況によって大きく変わりますが、
行動計画は変わりません。やるべき事を実行したか、しなかったかの
それだけです。実行しなければ問題も課題もわかりません。
これからの時代は行動を管理しながら、やるべき事を着実に実行して
いく営業が求められます。

2.行動が成果を生む

「意識を変えれば行動が変わる」とよく言われていますが、意識
を変えるだけで行動に移せる人は、「2:6:2の法則」と同じ様に、
トップクラスの2割の人だけです。多くの人は「忙しい、時間がない」
「長続きしない」「実行に移せない」など最初のハードルでつまずいて
しまい、うまく結果が出ない場合が多いと思います。ではどうするか。
まずは行動から変えるべきです。例えばスポーツで考えてみて
下さい。ゴルフを始めた人に、いきなり「プロゴルファーになれ」と
言っても誰もがなれるわけではありません。しかし毎日100回
素振りをしなさいと言えば、大抵の人が出来るはずです。営業も
同じです。「プロゴルファー」が数字目標で、「素振り」が行動計画
です。毎日かかさずやることで、自信もうまれ、能力・スキルも向上
します。プロの営業になれる確率も上がってきます。少なくとも数字で
管理するよりも着実に向上します。行動を変えれば、考えも変わります。
考えが変われば習慣も変わり、習慣が変われば性格が変わり、
性格が変われば人格、人生が変わると言われています。
きっと成果も出てきます。

3.数字目標を捨てる

営業は数字目標があると、その数字をやるために無理な押し込み
販売をしたり、余分な値引きや販促費を払ったりと、数字をあげる
ためにその場しのぎの行動をとることが多くなります。営業なので
数字にこだわるのはいいのですが、本来の営業の仕事である、
お客様ニーズの確認、提案、受注、フォローの手間のかかるプロセス
を無視して安易な数字合わせだけになってしまっては本末転倒です。
営業が負のスパイラルに陥る前に思い切って数字目標をすててみる
べきです。パナソニックの中村会長も「破壊と創造」を掲げ、創業者
である松下幸之助氏がつくりあげてきたシステムを一新し、時代
に合ったものに変化させました。新しいやり方を構築するときには
思い切った「破壊と創造」が必要です。

4.誰もができる仕組みをつくる

数字を捨てるとともに、行動計画で管理する新しい仕組みをつくる
ことが必要です。その際には、先程「2:6:2の法則」の話をしましたが、
トップクラスの2割に頼るのではなく、6割と残り2割でも実行できる
仕組みが必要です。そのためには週単位で行動管理してみてください。
1週間の間でお客様への訪問・面談回数、提案回数などで行動目標を
立て営業プロセスを管理していく仕組みをつくるのです。
予定通りの計画でいってなければ問題点を話し合い、クリアできるように
継続的にチェックするのです。その時は、経営者、経営幹部は数字のこと
は一切言わず、行動のみ追及していく姿勢を見せる覚悟が必要
になります。

今回3回シリーズで営業力をアップする3つのポイントを書き
ました。賛同いただける項目がありましたら、実行してみて下さい。
その際はぜひ継続して実施することをお勧めします。継続こそが企業の
競争力を生み出し、成功への近道となります。厳しい経済環境が
続きますが、5年後、10年後に皆が笑顔でいられるように頑張
りましょう。

丹田浩司

11/02/07 03:32 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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