経営お役立ちコラム
中小企業向けクラウドのススメ

近年「クラウド」という言葉は広く認知され、一般的な用語となってきています。しかし、言葉は知っているが具体的な内容やメリットはよく分からない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、クラウドサービスの主なメリットと中小企業のクラウドサービス利用状況についてまとめました。

まずクラウドサービスとは何か。主な要素は以下の通りです。

・ネットワークを通じてコンピュータの資源・機能が提供される

・サービスとして提供され、利用者は利用量に合わせて費用を支払う

・利用できるコンピュータの資源は増減可能である

そしてクラウドのメリットは何か。主なメリットは以下の通りです。

1.コスト削減

クラウドサービスを導入すれば、高額なシステム購入費用が不要となり、初期投資を削減できます。またハードウェア・ソフトウェアの運用保守もクラウドサービス提供業者が行うためユーザー側にコストが生じません。さらに機器の陳腐化を防げたり、常に最新のサービスを利用できたり、というメリットもあります。

2.ビジネススピードの向上

従来のオンプレミス(社内導入)型と異なり、クラウドサービスではサーバ容量の追加・変更が容易です。よって最初は必要な容量だけでスモールスタートし、将来的に必要に応じて容量を増強するといった柔軟な利用が可能です。この拡張性とスピードがメリットです。

3.ビジネス継続性の向上

クラウドサービス提供業者の最先端データセンターのセキュリティを活用できるため、ハードウェア障害や自然災害により業務がストップするリスクを軽減できます。

このようにメリットの多いクラウドサービスですが、実際にクラウドサービスを導入し、経営に活用している中小企業はまだまだ少数派のようです。

総務省の平成24年通信利用動向調査によれば、クラウドサービスを利用している企業の割合は平成22年の14.1%から28.2%に倍増しています。しかし、資本金規模別にクラウドサービスの利用状況を見ると、資本金50億円以上の大企業は52.8%がクラウドサービスを導入している一方、資本金1000万円未満の中小企業はわずか23.4%にとどまっています。

クラウドサービスは、コスト削減、ビジネススピード向上、ビジネス継続性の向上といった多くのメリットがあります。本来は大企業より、相対的に経営資源で見劣りする中小企業にこそ向いているもの。経営の効率化・業績拡大をすすめるためにも、中小企業にこそクラウドをうまく活用して欲しいものです。

最後にクラウドサービス導入企業の事例Before/Afterです。コストを削減しつつ、ビジネス継続性を向上させるなどクラウドのメリットを享受しています。

【金融業S社(従業員数100名以下)】

Before:

各種業務サーバを自社オフィス内のサーバ室で運用。BCP面での不安を抱えていた。また基幹業務システムなどで単純なクラウド化が難しいシステムが存在していた。

After:

自社内サーバ群をクラウドへ移行。安全性の向上と運用負担を軽減。またクラウド化が困難なシステムもデータセンターへ移すことにより、一体的な運用体制を実現した。

【不動産業H社(従業員数100名以下)】

Before:

社内に専門の情報システム担当部署はなく、サーバの運用・保守は外部から派遣された常駐エンジニアに任せておりコストが大きかった。

After:

クラウド化によりサーバ運用・保守の手間が軽減。社内の人材のみで管理できるようになりコストの大幅削減を実現。またBCP対策も強化でき、ハードやソフトの更新の手間もなくなった。

小林 孝太

14/05/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当

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