経営お役立ちコラム
ネットショップ研究会の歩みと活動内容の紹介

1.ネットショップ研究会について

当支部のネットショップ研究会は、2011年3月に発足したまだ若い3年目の研究会です。毎年何名かの新規入会者を迎え、現在は30名程度の登録を頂いています。

主な活動は、インターネット販売を支援するためのノウハウの取得や、現在進行中の支援案件の進捗共有、支援に関する参加メンバーから他の会のメンバーへの相談、ディスカッションです。当研究会は、実務も行うことができる研究会であることが特色です。実際にメンバーの持ち込んだ案件について、参加者を募り支援活動を行っています。今回はその活動内容について紹介します。

2.基本的な支援の方向性

インターネット販売においては「売上=アクセス数×転換率×平均単価」という公式が基本原則です。どの支援先においても基本的にこの公式は当てはまるので、この原則をベースとして考えます。なお、転換率はアクセスしてきた人のうち、購買に転換した人の割合です。100回のアクセスのうち5回購買があれば、転換率5%となります。上記公式のうち、アクセス数と転換率は平均単価より努力で改善がしやすいと考え、この両者の改善に焦点を置いています。

Webサイトを訪れた数を表す「アクセス数」は実店舗でいえば来客数に当たります。実際の店舗でも来客数を増やすことは大切です。アクセス数増加には、GoogleなどのSEO対策を行うことで検索時の表示順位を上げユーザの訪問を促すことや、リスティングなどの広告を出稿し検索結果の表示枠に掲載し、当該サイトへの誘導を行います。広告には費用がかかるので無限に行うことはできませんが、SEO対策については自力で行える限り基本的に無料なので力を入れていきたいと考えています。

Googleによる方向性の明示以降、ショップページのHTMLファイル内のタグや書き方をSEO的に好ましいものに変えていくテクニカルな対応に加え、最近ではページそのものの内容、文言といった質的な部分をより豊富で充実した方向に改善していくことも必要になってきたと考えています。

SEOや広告の対策は必須と考えますが、最近ではソーシャルメディアの普及にともない、FacebookやTwitterによる集客やブログを書き、そこで自社の商品を紹介し、サイトへ誘導することも行っています。アメブロなどの競争力のあるブログサイトからはある多少のアクセス流入が見込めると踏んでいます。

転換率は先述の通り、どれだけ実際の購買などのユーザアクションに転換したかを示します。訪れた人がどれだけ実際に購買しようと思うかは、そのページの質にかかっています。そのため、商品・サービスの特徴をしっかり認識した上で、お客様に対してアピールすることが重要です。商品の説明においては「なぜその商品を買うべきか」「その商品は何が他の同等の商品と比べて優れているか」といった内容を盛り込みます。商品の画像においては見た人がその商品のイメージを膨らませられるかを画像の質、枚数などを中心に着目し、改良します。

商品説明・画像だけでなく、全体的なページの作り、サイト内の回遊性といった項目も転換のしやすさに関係あると考えていて、このようなものについても積極的に改善を行っていきます。

「売上=アクセス数×転換率×平均単価」の公式に基づきサイトの改善を行った後はその効果を測定します。実際の売上だけでなくユーザのアクセス状況、どこからどこへ回遊したか、検索で該当のページへ訪問したもののそのままサイト外へ直帰していったかなどをアクセス解析ツール(Google Analyticsが一般的)を利用して日々データを取得し、解析します。何をどのように変えるとアクセスの状況が変わり、転換や売上に影響するかを毎日追いかけることでナレッジを蓄積し、何をすべきか、何をしてはいけないかがつかめてくると思います。

3.実際に行うことの難しさ

基本的な方向性ということで書いてみたものの「言うは易し行うは難し」です。実際に助言してショップオーナーに日常的に行ってもらうことは非常に難しいと、これまでの支援の経験で実感しています。せっかくの提案を実行してもらえないのは残念なので、研究会のメンバーが運営のサポートを行う案件も出てきています。我々はこれも良い機会だと捉え、会員のスキルアップに活用しています。

藤田 聡

14/03/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当

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