経営お役立ちコラム
”スマートフォン”で社員を情報武装させよう

巷ではiPhone5(アイフォン)がauから発売との報道が大きな
話題となっています。“スマートフォン”は一部のデジタルマニアの
ものではなく、20代~30代の男性では3割以上が所有する身近な
デジタル機器となっています。そこで今回は、「そもそもスマート
フォンは携帯電話と何が違うのか?」「スマートフォンはビジネスの
役に立つのか?」といった疑問をお持ちの経営者や経営幹部に
分かりやすく解説いたします。

【スマートフォンと携帯電話の違い】

スマートフォンは一言で言うと“携帯電話とノートパソコンの
中間の存在“です。携帯電話の音声通話機能だけでなく、ノート
パソコンのようにゲームやビジネスソフトといったアプリケーション
(以下、「アプリ」)を追加することで、様々な機能を拡張すること
ができる機器です。従来の携帯電話より画面が大きくタッチパネル
になっているのは、アプリの操作性を向上させるためです。スマート
フォンは追加するアプリの種類によって、娯楽機器にもビジネス
機器にもなるのです。

【スマートフォンを使うメリット】

スマートフォンを使う一番のメリットは、“インターネットから
素早く自由に情報を引き出せること”です。携帯電話でもインター
ネットを利用できますが、閲覧を制限されるサイトも多く、機器の
操作性も良いとは言えません。逆にノートパソコンは自由に閲覧
できる反面、機器の大きさから使う場所を選び、起動にも時間が
かかります。いつでもどこでも素早く情報を引き出せるスマート
フォンは、多忙で時間が無い人や移動が多く細切れ時間を有効活用
したい人に大きなメリットがあります。

【スマートフォンのビジネス活用】

紙面でスマートフォンのビジネス活用事例が多く採り上げられて
います。ただ、その事例は全社員へのスマートフォン支給、業務
システムとの接続による社外業務の効率化(在庫管理、店舗管理等)、
業務専用端末の置換え(POS、医療機器等)といった多額の設備
投資を必要とするものばかりです。

では、多額の設備投資が難しい中小企業ではスマートフォンは
導入すべきではないのでしょうか?実は設備投資を行わないで
スマートフォンを最大限に活用する方法があります。 それは、
「顧客まわりの多い営業社員にスマートフォンのビジネス活用を促す」
ことです。モバイルコンピューティング推進コンソーシアム発表の
統計資料によると、企業のスマートフォンの利用用途は「営業・渉外
業務(顧客管理を含む)」が66.8%で最も高く、この領域において
最も効果が高いことが伺えます。経営資源の少ない中小企業だから
こそ最小限の費用で最も効果が出る領域に集中するべきでしょう。

【スマートフォンの具体的な活用方法】

ただし、スマートフォンを積極的に活用するよう指示するだけで
は何の効果もあげることはできません。機器を支給しても鬱陶しく
思われるのが関の山でしょう。まずはスマートフォンを持つメリット
を理解させる必要があります。以下に営業業務でスマートフォンを
活用するメリットを整理しました。

・迅速なレスポンス…顧客からのメールでの問い合わせに直ぐに
回答ができる
・細切れ時間の活用…移動時間に顧客や提案に関する情報収集が
可能となる
・商品提案力の向上…営業資料を保存しておけば書類の持ち運び
が不要となる
・顧客訪問の効率化…顧客先までの移動経路や所要時間を移動中
に確認できる

ノートパソコンでも同じことができますが、スマートフォンを
使えば遥かに手軽に迅速に行うことができます。従来のノート
パソコンでは時間がかかるため行わなかった作業もスマートフォン
なら手軽に行えるため営業業務の全体効率化につながります。
顧客まわりが終わった後に、メール返信や資料収集のためだけに
会社に戻る必要もなくなり、営業社員のストレス解消にもなる
でしょう。

【ビジネス活用を促す低価格アプリ】

最後に代表的なスマートフォンであるiPhoneで利用できる低価格
アプリを紹介します。

(1)「メール」(無料)
スマートフォンのメール機能を使って社内のメールを送受信
できます。大多数のインターネット接続業者では機器の設定を変更
するだけでスマートフォンでも使用が可能となり、顧客からの緊急の
メールにも対応ができます。

(2)「マップ」(無料)
GPS機能を使えば、現在位置から目的地までの経路が電車・車・
徒歩すべてが瞬時に画面に表示されます。顧客先への訪問時に、
道に迷ったり遅刻したりすることが無くなります。

(3)「GoodReader(グッドリーダー)」(450円)
パソコンからスマートフォンにファイル(提案資料、製品カタログ、
価格表等)を保管して持ち運ぶことができるアプリです。瞬時に表示
できるので場所を選ばず顧客にプレゼンテーションをすること
ができます。

(4)「DropBox(ドロップボックス)」(無料)
パソコンとスマートフォンから同じファイルを閲覧・加工すること
ができるアプリです。顧客から要求された資料を、その場で探して
表示することができます。

(5)「Byline(バイライン)」(無料、広告無しの場合は250円)
複数のニュースサイトや企業HPの配信情報を自動的に取得して、
後から閲覧できるアプリです。細切れ時間に顧客先や競合企業の
最新情報を漏れ無く確認できます。

スマートフォン導入は多額の費用をかけなくても工夫次第で効果
を得ることができます。まずはスマートフォンを使っている社員と
一緒に低価格アプリの導入によるビジネス活用を検討してみては
如何でしょうか?

長瀬勝好

11/10/10 05:18 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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