経営お役立ちコラム
資金が足りない?!

毎日努力されている経営者の皆様に、経営に役に立つ事例を
お届けします。これにより、気づきをされて、貴社の経営に
いくらかでも貢献できれば筆者の望外の喜びです。

創業7年目を迎える従業員8名のH社は、土壌改善施工の事業を
行っています。G社長から、「経営計画の立案の仕方」について、
中小企業診断士Kへ支援の依頼がありました。G社長は、大手化学
薬品メーカの営業出身の方です。

来期計画を立てるため、過去の財務報告書を見ました。年々増収
で、不況下での営業活動を真剣にされ成果を出しています。利益は
創業後3年目までは赤字ですが、次第に赤字幅が減っております。
そして、4年目から黒字を出し始め、まもなく累積赤字を解消する
見込みです。経費の使い方も、慎重さが感じられます。土壌改善
施工の消耗品在庫は、必要な時に必要量を仕入れるためにほとんど
ありません。固定資産も事務機器程度でほとんどありません。
しかし、借入金は、黒字になってからも増加しています。
これが問題です。

借入金が増加している背景を聞くことにしました。「売上を上げ
て、代金を回収するまではどのようになっていますか」に対して、
「工期は、おおむね1ヶ月程度で、検収が上がったところで請求書を
出します」とのことです。「施工完了して、検収が上がるまでは、
どの位の日数ですか」には、「1ヶ月から2ヶ月程度です」「すると、
売上の回収の速度は2ヶ月から3ヶ月の間で、一方支払は1ヶ月程度
になりますね」「まあ、そうです」。

H社の場合、入金が出金より遅く、売上が増えれば増えるほど、
資金繰りが苦しくなる資金出入の構造です。G社長は、「それでは
取引先に代金を早く支払うようお願いします」「それは、マズイです」
「なぜ?」「急にそんなことを言えば、信用に影響しますよ」「では、
どうしたらよいのかな?」と腕を組みました。

お客様に今の取引条件をより速い回収に変えるよう求めることは、
現実には相手も現在の取引条件で資金繰りしているから、難しい
ことです。また、回収を早めるよう求めることは、当方の資金が
苦しいことを言っていることにもなります。そのため取引自体が
危うくなることもあります。当面、銀行からつなぎ融資を受ける
こととしました。そして、今後新たに開発する製品の販売条件は、
取引開始時、中間そして最後に受領するようお願いすること
にしました。
また、新規の顧客にも、前受金を頂く取引条件を進めることに
しました。このように問題解決を目指して、G社長は自身が
新規顧客の開拓をさらに進め、G社長から問題の説明を受けた技術
担当は今まで以上に新製品開発を行なっています。
H社は、問題を全員が理解して、役割を果たそうとする風土が
生まれてきています。

資金繰りの問題を解決するために、第一に現在の問題を浮き彫り
にし、第二にどうしたら問題解決するかを考えます。そして経営
計画に解決策を織り込みます。気をつけることは当方だけの事情
からの思いつきは、予想外の悪い影響を受けることになります。
資金問題は特に慎重に行なわないと、取引自体がなくなる等の
思わぬ影響を受けてしまいます。十分注意を払うべきことです。

窪田靖彦

11/03/21 09:11 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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