経営お役立ちコラム
会社を守る、社長を守る、中小企業のミニマムコンプライアンス対応術 ~中国の故事に学ぶ、社長の実践編~

はじめに
 昨年10月の本コラムで、同じ題名で、コンプライアンス違反や不祥事に対する社会の目、ミニマムコンプライアンスを実践することのメリット、および社内展開時のポイントなどを総論的にご紹介しました。今回と次回4月号では、「お金」という
最も身近な題材を取上げ、ミニマムコンプライアンスの深堀を試みます。
今回は、社長の生活感にマッチした具体的事例を、中国の故事になぞらえながら、社長の「心構え」や「行動」について考えてみます。

(1)「繭(まゆ)を作りて、自らを縛る」 
 カイコの幼虫がさなぎになるため、自分の体の周りに糸をだして繭を作る様を、自らを縛ると捉え、転じて「自分の言動や行動で自らを苦境に陥れる。
人は痛い目に合わないと気づかない」という教訓として広く知られるようになりました。
昨年12月以来、某自動車メーカーの前会長に関わる様々な嫌疑が報道されています。
中小企業の社長の心構えや行動を考える上で、この事例はとても参考になります。
ひとたび外部関係者を巻き込むようなコンプライアンス違反や不祥事がおこると、お客様の信頼を失い受注の大幅減や取引停止につながりかねません。
資金や人材の面で十分ではない中小企業にとっては、倒産の危機に直面するかもしれません。
社長ご自身のコンプライアンスに対する意識や心構えは十分でしょうか。
次項では、社長にありがちな日常の「行動」を取り上げます。

(2)「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」
 瓜畑の中で靴を履き直すと瓜泥棒と間違われる、李(すもも)の木の下で冠をなおすと李を盗んでいると思われる、という例えから転じて、「人から疑いをかけられるような行動は慎むべき」という戒めの言葉となりました。
社長の日常の出来事で考えてみましょう。中小企業では、社長所有の土地に会社所有の建物が建っていたり、家族・親族が経営幹部や社員として働いているなどの状況がしばしば見受けられます。
アットホームな経営ができる反面、公私の区別が曖昧になりやすいというリスクもあります。
家族の私的な飲食代を会社の経費で処理している、奥様が社有車を専ら子供の送り迎えに使っている、このような事例に心当たりはありませんか? 先日支援先の社長との会話で、次のようなお話を伺いました。
地区の経営者仲間との宴席で、ある社長が交通系ICカードの「賢い使い方」を紹介しみんなに勧めていた、という主旨でした。
会社支給の交通系ICカードは本来社用での電車賃などの支払に使用するものですが、様々な場所で使える利便さを逆手にとって、タバコや飲物など私的な支払にも流用していた、という内容だったそうです。
この話は後日談がありました。この話はアッという間に拡散し、ついにはコンプライアンスにうるさい取引先の知るところとなり、取引の見直しを迫られたというオチがついていたそうです。

(3)おわりに「隗より始めよ」
 皆さんよくご存じの中国の故事です。「ことを始めるには、まず自分自身から着手せよ」という教えです。
会社でミニマムコンプライアンスを浸透、定着させる最初の一歩は、社長ご自身の「心構え」や「行動」の見直しからです。コンプライアンス違反や不祥事が発覚・炎上してからでは、遅すぎます。日常、当たり前となっていた行動をちょっと振り返っては
いかがでしょうか。

木村 充

19/03/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:広報部 コラム 担当

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