経営お役立ちコラム
経営のヒント!
■はじめに
我が国における中小企業は、全企業数の約99.7%、従業員数は全体の約70%、付加価値額は全体の約56%を占める地域経済や雇用を支える極めて重要な存在です。本稿では、中小企業白書を手がかりに、2015年以降の動向を中心に、中小企業の過去・現在・未来を概観します。

■ 2015年以降の動向からみる過去
2015年以降、中小企業白書では「人手不足の深刻化」「後継者難」「地域経済の低迷」など、複合的な経営課題に直面してきました。特に経営者の高齢化が進展する中、2023年時点で後継者不在率は54.5%となっており、事業承継の停滞が大きな社会課題として浮上しました。中には後継者が見つからずに黒字でもやむなく廃業する事業者も多く、地域経済の担い手の喪失が懸念されています。
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25/04/30 18:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
1. 香りがもたらすビジネス効果

心地よい香り(以下、アロマ)の力を活用したマーケティングは「香りマーケティング」と呼ばれ、近年導入する企業が増えています。アロマはストレスや疲労感の軽減、集中力の向上にも効果があると考えられ、接客業だけでなく、オフィスの生産性向上や健康経営にも活用されています。

2. 香りが脳にもたらす影響

香りが記憶や感情に強く結びつく現象を「プルースト効果」と呼びます。嗅覚が感情や記憶を司る大脳辺縁系を刺激することにより、他の感覚よりも感情や記憶に深く影響を与え、その香りに関連する印象を長期間にわたって記憶に残します。また、アロマは嗅覚を通じて自律神経にも作用し(*1)、これによりリラックス効果や集中力向上効果が期待されています。

3. アロマに…

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25/03/31 18:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
事業者としてデジタルマーケティングを行う前に考えないといけないことを3回にわたってお伝えいたします。今回は最終回です。

(7)顧客とのエンゲージメント(※1)を高める仕組みを整えましょう

(6)で、まずは認知度をあげることから考えるというお話をしました。デジタルマーケティングでは、単に認知を広げるだけでなく、顧客との関係を構築し、長期的なファンを増やすことも重要です。

例えば、SNSやブログ、メルマガなどを活用すると考えた場合、それらを通じて顧客と双方向のコミュニケーションを取ることが求められます。顧客とのエンゲージメントを高めるために、以下のポイントを意識しましょう。

・一方通行の情報発信ではなく、対話を意識すること
 SNSのコメントやメッセージに積極的に返信す…

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25/02/28 18:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
事業者としてデジタルマーケティングを行う前に考えないといけないことを3回にわたってお伝えいたします。

(4)短期的な成果を期待しない

デジタルマーケティング施策をマーケティング事業者に依頼して「あとは全て任せます」というわけにはいきません。狙った成果をすぐに出せるほど簡単なことではないからです。自社でメインの舵取りを行うことが大切です。事業者と相談しながら、仮説と検証を繰り返し、いわゆるPDCAサイクルを回すことで成果を出していくことになります。

・Plan(計画)……計画を立て、課題、目標、仮説設定する
・Do(実行)……立てた課題を実行、検証する
・Check(評価)……実行・検証の評価をする(ここでうまくいかない)
・Action(改善)……気づきや課題を踏まえ…

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25/01/31 18:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
中小事業者から、自社の製品・商品やサービスの集客をして売上を拡大するために、デジタルマーケティング(※1)を導入・活用したいという相談をお受けすることがあります。まだ何も始めていない段階だけでなく、補助金を採択し予算が決まったうえで事業者や他社に丸投げした結果、期待通りの成果が出なかったというケースでご相談をいただくこともあります。

デジタルマーケティングの相談(特にSNSやGoogleなどへの広告を行いたい相談)を受ける際、私は半数以上の場合で、デジタルマーケティングをすぐには勧めません。それは、デジタルマーケティングが向かないということではなく、事業者側の準備が圧倒的に足りていないことにあります。

ここでは、事業者としてデジタルマーケティングを行う前に考えないといけないこ…

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24/12/31 21:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
中小企業診断士・社会保険労務士の田名網です。中小企業の競争力強化と従業員の待遇改善を両立させる「業務改善助成金」について、その活用方法をご紹介します。

<業務改善助成金の背景と概要>
近年、最低賃金の引き上げ圧力や労働力不足、デジタル化の推進など、中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。これらの課題に対応するためには生産性向上が不可欠ですが、多くの中小企業では資金不足が取り組みの障壁となっています。

業務改善助成金は、このような状況下で中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、従業員の賃金引上げを促進するための制度です。生産性向上のための設備投資等を行いながら、事業場内最低賃金(※)を最低30円以上引き上げる企業に対して助成が行われます。

<2024年度の支給額と…

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24/11/30 21:00 | カテゴリー:,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
■はじめに
先進国の中で最も速く高齢化が進んでいる日本では、認知症を発症する高齢者が増加しています。厚生労働省の推計によると2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると考えられており(※1)、その可能性は社長においても例外ではありません。そこで社長が認知症を発症した際のリスクと備えについて考えていきます。

■社長が認知症になった場合のリスク
認知症とは、一度正常に発達した認知機能が、さまざまな脳の病気によって徐々に衰え、記憶や判断力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態のことをいいます(※2)。
医師から認知症と診断されると、その患者には「意思能力が無い」あるいは「意思能力が弱い」ということを意味します。法律上、意思能力の無い人が行う法律…

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24/10/31 21:00 | カテゴリー:,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
 毎日出社し顔をあわせて仕事をする。そんな働き方は当然であり常識でした。しかし、そんな常識は一変し、働き方は変革の時期を迎えました。いわゆるニューノーマル時代です。ニューノーマルとは「新常識」という意味です。コロナ流行等の社会全体の変化に適応した新たな常識のことです。テレワークが代表的な例でしょう。感染防止のみならず、通勤のストレス軽減や育児・介護との両立といった社会問題に適応するべく多くの企業に導入されました。

 しかし、導入が進むにつれて「労働生産性や帰属意識が低下した」という否定的な意見も出てきます。指示された仕事しか行わない、家族都合を理由に働かない、メンバー同士の連携ができない等の問題により、テレワークを縮小・廃止する企業も現れます。

 早期からテレワークに移行したアメ…

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24/09/30 21:00 | カテゴリー:,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
◆はじめに

そもそもリスクマネジメントとは何なのか?

少々古いが2016年の中小企業白書では「リスクを組織的に管理(マネジメント)し、損失等の回避又は低減を図るプロセスをいい、ここでは企業の価値を維持・増大していくために、企業が経営を行っていく上で障壁となるリスク及びそのリスクが及ぼす影響を正確に把握し、事前に対策を講じることで危機発生を回避するとともに、危機発生時の損失を極小化するための経営管理手法」と定義している。

最近では外注先の業務停止が及ぼす自社への連鎖的影響の拡大や、従業員の法令違反による品質問題の発生等の新たなリスクが顕在化しており、企業がリスクマネジメントを積極的に行うことが求められている。では、中小企業のリスクマネジメントの実態はどうであろうか?

体…

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24/08/31 21:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当
◆採用と定着

障害者の就職の過半数は、精神・発達障害者であることは第1回でご説明しました。
今回は、発達障害者を含む精神障害者の採用選考についてご説明します。

1.採用面接で聞くべきこと

障害者の採用で一番気を使うのが障害の内容について聞く場面です。自社に合う人材か否かを判断する重要な要因ですので、下記の質問例に従って判断材料を得るようにしてください。
なお、障害の状況を聞く際には、興味本位ではなく採用の判断材料として質問することと、答えたくない場合には答えない自由もあることを応募者に伝えてください。

① 「ご自身の障害『特性』について教えてください」

障害者手帳を取得した診断名ではなく、過集中や短期記憶の維持が難しいなどの「特性」を確認する質問です。特に精…

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24/07/31 21:00 | カテゴリー:, ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当

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