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城南プログラム開始直前企画 【第2部】即戦力を叶える! オーダーメイドなスキルアップ・プログラム

城南プログラム開始直前企画

【第2部】即戦力を叶える! オーダーメイドなスキルアップ・プログラム

令和4年度、城南支部で新たにスタートする「城南プログラム」。開始直前の特別企画、第1部では、城南プログラム発足のきっかけや今後の展望についてお話を伺った。第2部の今回は、引き続き宇野支部長と川居副支部長に、より具体的なプログラムの内容や運営方法についてお話を伺う。イメージするのは、会員それぞれのスキルマップ作成を可能にし、キャリアプラン策定に寄り添うプログラムだ。

モレなくダブりなく、会員ファーストなカリキュラムを

――城南プログラムの具体的な策定方法をお聞かせください。

川居副支部長:まず、城南支部のセミナーカリキュラムというのは、城南コンサル塾をはじめ、能力開発推進部(以下 能開部)、研究会、エキスパートコース、地域支援部、国際部、および城南支部全体と、さまざまなところで行われています。城南プログラムの最初の構想は、基礎・実務・応用とレベル別に必要と思われるコースを作り、それぞれの部で行われているカリキュラムを当てはめていって、足りないところは追加で作りましょうということでした。

――1年間ではとても組めない数のプログラムがあがってきたと伺いました。それらが今まで支部になかったのは、なぜでしょうか?

川居副支部長:じつは今まで、各部でプログラムのすり合わせは行っていませんでした。私が担当する能開部のカリキュラムは、例えば今年はDXが流行りだとか、BCPだとか、その時どきで需要のあるものに偏りがちだったのですね。そのうえ、ほかの部が何をやるかというのは部長会で知ってはいるのですが、実際に各部で全体を見据えた打ち合わせをすることはありませんでした。結果、内容にダブりがあったり、スケジュールがタイトだったりして会員ファーストではなかった。そこで全体を一度俯瞰しましょうということで、この作業を2か月くらいして全体像を作りました。


図 1 「城南プログラム」 テーマ 基本カリキュラム方針

 
 

研究会・エキスパートコースとの連携

――具体的に、今年度のプログラムは?

川居副支部長:全体像を単年度で切り出したのが下の図で、このほかに来年やろうとか、再来年やろうというプログラムがあります。まだ組み立てている最中ですね。今年度からは部長会とは別に、関係各部も入った城南プログラムの打ち合わせを毎月1回は必ず行うようにして、漏れダブりのない、質の高いプログラムを作り上げようと注力しているところです。


図 2 令和4年度 城南プログラム予定表

――既存のカリキュラムもプログラムに含まれますが、研究会やエキスパートコースとの関係性はどのようにお考えでしょうか?

川居副支部長:城南プログラム内のセミナーは単発なので、参加しやすいのが利点です。セミナーに参加して興味を持ってもらって、研究会などに入ってほしいという思いがあります。私は研究会部も担当していますが、研究会の活動を活性化する意味でも、城南プログラムに期待しています。研究会からも講師を通じてノウハウを提供しますし、新たなニーズが出てくれば研究会の数も増やしていきたい。城南プログラムによって、研究会やエキスパートコースの活動がより幅広くなっていくことが理想です。

――今後さらに充実していくという城南プログラムですが、会員のプログラム受講履歴の運用についてお聞かせください。

川居副支部長:履歴に関しては、総務部の方でkintoneでの運用を目指しています。今までの専門家データベースでは、「こんなスキルを持っている」というのは自己申告制でした。受講履歴にしても、各部が個別に持っていて、それを蓄積するというところまではできていなかった。城南プログラムでは受講履歴をデータベース化して、会員自身でも可視化できるようにしたいと思っています。それをどう実践に活用するか、支部長からお話いただけますか。

宇野支部長:具体的には、実務の指針となるモデルコースの運用に活用できたらと考えています。例えばですが、「窓口相談をするなら、コンサルティングの基礎知識とインタビューの手法、あと応用の資金繰り、計画策定のカリキュラムをとってくださいね、その4つをとった人はこの窓口相談をやっていただけます」というような。来年度以降は、そういうモデルコースを作りたいと思っています。それにより、推薦の依頼があったときにも対応の目安ができて会員にとってもプラスになるし、派遣先や支援機関にとってもプラスになる、そういう活用方法を目指しています。


 
 

マイスターセッションによる相互啓発

――セミナーには録画視聴できるものもありますね。

川居副支部長:やはりセミナーは時間が合わなくて参加できない人が結構多いと思うので、そこは各部に協力をいただいていこうと。録画ベースにしたりZoomを使ったり、リモートの良さを活用して、できるだけ皆さまが幅広く見られる機会を従来以上に増やしていきたいと考えています。

―― 一方でコミュニケーションの不足が懸念されますが、新たに交流を生む場というのは想定していますか?

宇野支部長:構想にあるマイスター制度(注)を軌道に乗せると同時に、マイスターと既存会員、新人会員との交流の場を作りたいと思っています。城南プログラムにはコンサルティングの基礎をはじめ、事業承継とかM&Aとか、いろいろなカリキュラムがありますが、そういったカリキュラムに本当に精通したプロの診断士というのは存在する。中堅・大企業含めて多大な成果をあげていらっしゃるそういう方々に、その道のプロとしてノウハウを提供してもらえば、会員のスキルアップに繋がるはずです。

 マイスター制度のもう一つの狙いとしては、いわゆるベテラン診断士と、若手や企業内診断士との相互啓発の場を作るということです。例えば、事業承継マイスターのAさんを囲む会、みたいな感じでもいい。城南博覧会で使ったoViceというオンラインツールがありますが、バーチャル空間で交流する場を設けるなど、リアルとバーチャルを組み合わせてやっていきたいですね。

(注)マイスター制度とは:ベテラン診断士をマイスターとして若手との交流機会を創出し、マイスターの診断士としての経験談を語っていただくことで知見を高める新制度(マイスターセッション)のこと。
 
 

ふたつの地図を手にして作る、自分だけのロールモデル

――城南プログラムは今後、支部の中でどういう役割を持つとお考えですか?

川居副支部長:今後は、城南プログラムの全体図を見れば、「城南支部にはこういうスキルアップの機会がある」ということがおわかりいただけるようになります。そこには研究会やエキスパートコースなどのセミナーも含まれていて、支部のノウハウが漏れなくダブりなく、体系的に示されている。城南支部全体のサイトマップになりますし、会員の皆さまにはご自身のスキルマップとして使えると思っています。

――城南支部のサイトマップと自分自身のスキルマップを持っていれば、柔軟にキャリアプランを策定することができますね。

宇野支部長:診断士って、実務補習の先生が親鳥みたいなものですよね。初めて見る診断士の先生がほとんどの場合、実務補習の先生ですから。ただ、どの先生になるかはある意味、運です。その運によって、皆さまのキャリアプランが変わるというのは、私は不公平じゃないかと思っていて。ですので、城南プログラムやマイスター制度、チューター制度もしかりですが、それによって皆さまがまんべんなく、いろいろな先生に触れ合える機会を作って、自分自身のロールモデルを作れる、見つけられる、そういう支部になりたいし、そうした成長の場を作ることが支部の役割だと思っています。

――やりたい仕事に的を絞ってプログラムを選択するもよし、新たな交流によって興味と仕事の幅を広げるもよし、まさにオーダーメイドな教育プログラムですが、実際の受講開始時期は?

川居副支部長:まずは録画視聴のセミナーから始めていって、7~8月から受講開始となる予定です。

令和4年度の「城南プログラム」カリキュラムが公開中! こちらからご覧いただけます。
https://www.rmcjohnan.org/news/johnan-program-curriculum-list/

【筆者紹介】

中村 美音(なかむら みね)
大学卒業後、総合出版社にて編集職に従事。
その後、個人事業主として主にコミック、Webの編集者、原案者として活動。
2022年 中小企業診断士登録

22/06/25 23:45 | 投稿者:羽田巧

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