各種報告
島村会員が語る企業内診断士としての診断士資格の活かし方とは?

中小企業診断士という資格の活かし方は実に様々です。
今回インタビューをした島村賢二さんは信託銀行の副支店長というポジションにありながら中小企業診断士として精力的に活動し、そこで得たスキルや知識を本業での業務に活用しています。
そんな島村さんの人となりを探っていきたいと思います。

これまでのキャリア
島村さんは大学を卒業後、信託銀行に入行しました。
就職活動をしていた当時、「都市銀行などの規模の大きいところではない信託銀行であれば、のんびりと色々なことができそう」と考えて信託銀行を就職先に選んだそうです。

入行後は札幌や大阪などの支店や東京本店で、20年以上に渡って融資業務を経験。
2014年から2020年まで中小企業再生支援協議会の支援先を担当した後、京都支店の副支店長を経て、2022年7月から現在の大船支店の副支店長として支店マネジメント業務に従事しています。

中小企業診断士を目指したきっかけ
そんな島村さんは、2014年に中小企業再生支援協議会の支援先の担当になってすぐに、中小企業診断士の取得を志します。

中小企業の再生に向けた取り組みを支援する中で、自社の強みを正しくとらえて活かすことができない中小企業が多いことに気がつき、「診断士の資格を取得して強みを活かせる中小企業を増やしたい」と考えたそうです。

勤務先の信託銀行でも中小企業診断士資格の取得が奨励され、4年かけて試験に合格しました。

資格取得後の活動
島村さんは2次試験合格後すぐの2019年2月に、1回目の実務補習を受講しました。

ここで指導員だった椎木前城南支部長から勧められたことで城南コンサル塾(第15期)に入塾し、実務実習等を活用して2020年に診断士登録されました。

「本業がある中で城南コンサル塾受講はなかなか大変だった」と振り返りますが、「同期との横のつながりや、OBや講師の先生との縦のつながりを得られたこと、補助金や事業再生、事業承継等診断士として知っておくべき知識やスキル得られたことが非常に大きかった」と言います。
 
登録後すぐに会社へ副業申請をし、翌月から補助金申請支援の講座受講と並行して、早速、ものづくり補助金申請支援の実務を担当します。
取り組んでいる間に京都支店への転勤が重なりますが、初めての補助金申請支援先が無事採択され、大きな達成感を得たそうです。

最近では、勤務する支店で休職者が出たことがきっかけで城南支部の労務管理研究会に参加。
研究会では勉強会のほか人事労務トラブル対策、法改正、人材育成・人材不足対策など労務管理に関する様々な知識を得られ、「支店マネジメント業務に非常に参考になっている」とのことでした。

京都府協会での経験
診断士として登録し活動を始めた直後の2020年4月に京都に転勤になります。

「せっかく京都にいるんだから京都でも診断士として何かやってみたい」という思いで京都府協会の実務実習に参加したことがきっかけで京都府協会にも入会。
女性事業者支援研究会「チームにこにこ」に入会し、女性事業者向けにビジネスモデルと創業に必要な書類についての講義などを行いました。

また、京都商工会議所の補助金支援窓口担当として事業者の補助金申請についての相談業務にも従事するなど積極的に活動しました。「新しい土地に行っても診断士の資格があればすぐにコミュニティに入っていくことができ、知り合いができることがわかった」と診断士という資格の持つ魅力を語ります。

現在の仕事と診断士の両立
信託銀行での副支店長という多忙な業務と並行して精力的に診断士活動をしている島村さんですが、診断士という資格がどのように本業に役立っているかを聞きました。
「信託銀行ではお客様の資産承継、不動産業務に力を入れています。資産承継については城南コンサル塾で学んだ事業承継の知識が役に立っています。銀行の担当者は事業承継というと財産の承継に注目するが、経営の承継という目線で経営者と向き合い相談に乗ることが大切であると支店の担当者にアドバイスしています」

診断士として大切にしていること
現在、企業内診断士として活動をされている島村さんに診断士として大切にしていることを聞きました。

「信託銀行の取引先に対して自分の知識が活かせないかを常に考えています。診断士としての基礎知識があるので取引先からの質問に答えられる範囲が広がりました。その範囲を広げられるよう自分が苦手と感じた分野については、すぐにインプットするよう努力しています。」

このように島村さんは、診断士として得た知識を本業に活かすことを考えながら知識のブラッシュアップを重ねています。

島村さんがこれから「信託銀行で培った不動産業務のノウハウと診断士の経営戦略策定スキルを融合させて中小企業に魅力ある提案のできる診断士を目指していきたい。」と語ります。

後輩診断士へのメッセージ
最後に、これから中小企業診断士として活動する後輩診断士に向けたアドバイスをいただきました。

「診断士活動への取り組み方は人それぞれでいいと思います。でも、将来独立することを目指しているなら研究会等に入り人脈を増やしておくと良いと思います。企業内診断士であっても研究会の活動時間程度は捻出できます。」

島村さんは副業として診断士活動に取り組むとともに、診断士活動で得た知見やスキルを本業における取引先への提案や支店マネジメント業務で存分に活かしています。

企業内診断士と一口に言っても、人それぞれ多様なスタイルが存在し活躍できるのが中小企業診断士という資格の1つの魅力であると、島村さんのインタビューを通じて実感しました。
また、城南コンサル塾や研究会、京都府協会、チューター制度などに積極的に参加している島村さんだからこそ、人とのつながりの大切さを実感されているのだと思いました。

島村 賢ニ
企業内診断士として活動。2020年診断士登録。信託銀行勤務。資金調達や経営改善に関わる支援が得意分野。2020年城南コンサル塾(15期)を卒塾。今年度は城南支部チューターとして活躍。

執筆者
吉野 一哉(よしの かずや)

2023年診断士登録。大学卒業後に筆記具メーカーに入社。主に海外向けの商品開発や拡販・販路開拓を経験。2024年3月末で現職を退職し診断士として独立予定。

24/02/26 09:58 | 投稿者:青年部

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