各種報告
城南支部のチューター制度について伺いました。

城南支部独自の「チューター制度」について、事務局長の稲葉さんと、チューターの寺本さんにインタビューをさせていただきました。簡単な制度紹介の後に、インタビュー内容が続きます。

〈チューター制度の概要〉
・城南支部独自の新入会員のネットワーク作り、相談・情報共有、活動のきっかけの場になる制度です。
・新入会員は誰でも制度に入ることができ、概ね新入会員15名とチューター3名のグループ単位で活動しています。

(島田)城南支部がチューター制度を始めた目的を教えてください。

(稲葉さん:以下、敬称略)
入会者の皆さんがより気軽に支部の行事やイベントに関われるようにしたいということが一番の目的です。診断士の方は企業内診断士として会社に勤務されている方も多く、忙しくて時間が取れず、参加のタイミングを逃すうちに段々と診断士活動自体から離れていき、5年後に更新ポイントに悩むような方が多いと聞いていました。頻繁に参加する方とそうでない方が二極化し、せっかく城南支部を選んで入ったのに繋がりがなくなるのは勿体ないという気持ちがありました。そのような一年目の方に対して、相談の窓口を作りたいということが一番大きな目的です。

(島田)城南支部に入って有意義に活動していただきたいという思いがあるのですね。

(稲葉)診断士は、仕事や交流など、人のつながりがとても大きい資格だと思います。つながりから活動のきっかけを得るのが主流だと思うので、年齢や年次が近い診断士の方々が相談の相手になってもらい居場所ができると、圧倒的に活動のきっかけが作りやすいと思います。特に1年目は名刺交換が活発で先輩診断士から声をかけてもらったりするので、チャンスは多いです。

(島田)1年目に入った後、忙しくてチューターの集まりに参加できなかった場合は翌年も参加することは可能ですか?

(稲葉)はい。新入会員の皆さんを対象に年に一回アンケート調査をしています。アンケートのなかで「引き続き新入会員のグループに入らせてほしい」というご要望をいただければ、次年度のメンバーにも入っていただく形にしています。

(島田)1チームにチューターは3名の体制とのことですが、若手の方とベテランの方でバランスを考えてチーム分けされているのでしょうか?

(稲葉)チューターの方は事務局から募集をして、応募していただいた方で編成しています。その時点で綺麗にバランスをとるのは難しいですが、毎年たくさんの方がチューターとして応募してくださるので、できる限り年次や所属を考慮してチーム分けをしています。

(島田)寺本さんに質問なのですが、本業も忙しい中で、なぜチューターを引き受けたのでしょうか?

(寺本)新入会員の時にチューター制度に参加して、一番気軽に参加できた会だったので非常に有意義だったと感じていました。チューターになろうと思った一番の理由は恩返ししたい気持ちからです。

(島田)チューターとして参加して良かったことは何ですか?

(寺本)イベント以外で同期とお話する機会はあまりないので、チューター同士で活動状況などを気軽に話せたことがよかったです。あとは新入会員の方をはじめ、様々な方とお話できる機会があり刺激になっています。

(島田)チューターとして参加する方にとって、活動は負担にならないのか?と思うのですが実際にはいかがですか?

(稲葉)確かに多数の新入会員の方に声をかけたり、イベントについてお話いただいたりするので、連絡や取りまとめの作業は負担になると思います。
事務局の立場では、チューター側の負担は気になっています。年々新入会員の方が増えてきている中で、チューターも参加者も無理せずに持続できる制度にしていきたいと思っています。事務局側としても、メーリングリストを作成してタイムリーに情報を流すなどの試みをしています。今後も色々なご意見を聞きながら改善していきたいです。

(島田)主に連絡手段はメールですか?

(寺本)メールでやりとりしてから、オンラインの打ち合わせ、またはリアルで会ってお話しすることが多いです。

(島田)メールで気軽な質問も送っていいのでしょうか?

(稲葉)はい、大丈夫です。事務局との情報共有ツールがあり、新入会員の方からの質問で即答できない場合は、質問内容を共有していただき、事務局から回答しています。

(島田)例えば私は、海外進出する企業のサポートに興味があるのですが、そのようなお仕事をしている方を紹介してほしい、など希望することも可能でしょうか?

(稲葉)直接その人と繋ぐことができる可能性もありますし、例えば海外の話であれば国際部のイベントにその分野に強い診断士の方が集まっているなどの情報を共有することで、情報収集のきっかけをつくれるかと思います。

(島田)自分の希望する方向に進むためのヒントを教えてくださるのですね。特定の先生とお話してみたい!という希望があればご紹介いただけるのでしょうか?

(稲葉)チューターの方が直接知っていればご紹介できると思います。ただ、直接ご紹介できなくても、例えばその先生が主催している研究会に参加している先輩チューターを紹介するなどはできるかなと思います。あとは研究会や部会などのサポーターとしてなどいろんな形で関わることがきっかけになって、先生とお話ができるというのはあるかもしれません

(島田)オンラインとオフラインを合わせると、集まる頻度はどれくらいですか?

(稲葉)全体で集まるのは、①顔合わせ、②1月の全体の交流会、③修了式という年間で三回予定をしています。去年は三回ともオンラインでした。現在128人で9チーム、チューターの方が1チームあたり3名いて、それぞれチューターの方がイベントを組んだり、情報交換をしたりしています。例えば先輩の診断士が経験談を共有したり、現在の活動内容の紹介をしたりしています。あとチームメンバーがリアルで集まれば、お互いに自己紹介や所属する研究会の話、専門分野の話などの情報共有、補助金の相談やお仕事の相談などもあります。

(島田)グループごとに集まる頻度は決まっていますか?

(寺本)新人会員の方が入るタイミングにあわせてチームができていますので、各チームのチューターでバランスを見て決めています。去年、私のチームは全体で最初の顔合わせと、グループではオンライン二回とリアルで一回でした。私が新入会員の時はコロナの影響でリアルが一回もなかったので、今年はリアルで会いたいという参加者の方も多かったので実現しました。

(島田)今後は、コロナの状況にもよりますが基本的にはリアルが増えていく流れでしょうか?

(稲葉)はい。チームごとのリアルの集まりは増えてくるのはもちろん、
全体の集まりも、会場を借りてみんなで会う機会を増やしていきたいと思っています。

(島田)とても楽しみですね。最後に新入会員の方へチューター制度の魅力についてお話いただけますでしょうか。

(稲葉)診断士の仕事は様々なジャンルがあり、それぞれの診断士のフィールドが多岐にわたっています。独立、企業内、兼業、ダブルライセンスなど。ここまでフィールドが分かれている士業は診断士ぐらいだと思います。様々な方との交流が図れることが中小企業診断士の利点ですが、交流しないとその気づきを得ることが難しくなります。そのハードルをいかに下げていくかがカギだと思っています。一緒にイベントに参加して、気軽に相談をしてもらって、グループ中の会合を通じて、同期の皆さんとのつながりを作るきっかけをチューター制度で実現できればと思っています。
きっかけを作ることで、次はこれをやってみよう、ここに参加してみようと興味を持ち、先輩の方々や同期の方々から刺激やアドバイスをもらえるというのが一番大きなメリットだと思います。

(島田)診断士の資格の利点を最大限にするために、とても大切な制度なのですね。
本日はお話をお聞かせいただいて、ありがとうございました。

【インタビュー風景】
Zoomで対談させていただきました!

【紹介】

稲葉 康弘(いなば やすひろ)プロフィール
企業内診断士として活動。2017年診断士登録。教育関係のフランチャイズ本部勤務。診断士としては補助金の支援やセミナーの講師などの活動をしている。3年目にサポーターとして会員部の活動に参加した後、チューター制度の促進プロジェクトチームに参加。現在はチューター制度の事務局長を担当。


寺本 祐太郎(てらもと ゆうたろう)プロフィール
企業内診断士。2021年診断士登録。同年、城南支部に入部し、新入会員としてチューター制度に参加。2022年からはチューター側で参加する一方、青年部でも活動している。


筆者:島田 玲(しまだ れい)プロフィール
企業内診断士。2022年診断士登録。青年部サポーター。チューター制度に興味を持ち城南支部へ登録。

23/03/20 16:53 | 投稿者:羽田巧

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