各種報告
城南コンサル塾を率いる星野部長のライフワークとは?

来たる新緑フェスティバルに向けた特別編として、城南支部の幹部の人となりをご紹介します。今回は、コンサル塾部を担当する、星野部長の素顔をお届けします。


(やさしい眼差しが印象的な星野部長)

■星野部長とはどんな人?
コンサル塾部の部長である星野裕司さんは、東京・浅草の生まれで、学生時代は音楽やヨットで青春を謳歌し、ヤマハ株式会社に入社後は様々な業務を担当されました。

城南支部のプロコン塾である城南コンサル塾は、東京協会の中で最も伝統があり、最も厳しいことで有名です。このコンサル塾の塾長が星野部長です。今回のインタビューで印象的だったのは、『人を育てる』という言葉でした。

■星野部長が診断士を目指したきっかけは?
—診断士を目指す前はどのような仕事をしていましたか?
浅草の土産物店に産まれ、社長である父の姿を身近に見て、中小企業の経営を身近に感じながら育ちました。将来家業を継ぐと漠然と考えていましたが、まずは社会を知り、大きな組織で仕事がしたいと考えヤマハに入社しました。ヤマハを選んだ理由は、中学・高校は音楽三昧で、大学では体育会ヨット部に所属していたからです。ヤマハは総合楽器メーカーですが、スポーツ、リビング、半導体など多角化した大きな組織体です。様々な部署や業務を経験することができ、企業で学ぶことは多くありました。

—企業で学ぶことが多いとはどういうことでしょうか?
診断士を取得したばかりの方は、企業にお勤めの方が多いと思います。企業内にいるからこそ学べることが多くあるので、今のうちにしっかり学んでおいてほしいということです。

—企業でどのようなキャリアを歩み、なぜ診断士を目指すことにしたのですか?
企業に勤めながら、診断士を目指したきっかけは4つありました。
①仕事が面白く実家は継ぎませんでした。両親が苦労して経営する中で何も役立てなかったことの反省と、もし自分が継いで経営者になっていたら経営はうまくいっただろうかと考えたこと。
②50歳を過ぎ将来を考えはじめ、定年後もできる仕事を選びたいと考えたこと。
③企業内で広報、営業マネジメント、新規事業など様々な経験を積ませていただきました。部署を異動する中で、外部の客観的な視点を持つことの大切さに気づいたこと。
④客先の楽器店や音楽教室の社長と対話する中で、経営者には社内外に相談相手がいないことを知り、よりお役に立つために経営について学びはじめたこと。
これらのことから、診断士の資格を取得するに至りました。

■診断士としてどのような活動を行っていますか?
—診断士資格を取得した時期はどのようなことを考えていましたか?
56歳位で資格を取得しました。当初は定年までは企業内診断士として活動し、その後本格的に活動すればよいと考えていました。城南コンサル塾の前々塾長であり実務補習の指導員から『定年の新人診断士に仕事はあると思うか?』と問われました。そこでコンサル塾で学ぶことにしました。今思うとコンサル塾への勧誘だったのかもしれません。コンサル塾で学びながら、副業で診断士としての仕事をはじめました。

—企業内診断士としてはどのような活動を行っていましたか?
まずは副業の許可を得ることです。当時は副業が認知されておらず、社内に根回しし自分で副業申請書を作り許可を得ました。コンサル塾や研究会の先輩方から少しずつ仕事をいただきながら、副業で診断士としての経験を積ませていただきました。

—副業を行うにあたり注意していたことはありますか?
副業に集中するだけでは、企業内で後ろ指を指されることになるため、本業は120%仕事に集中し成果を出し続けることにこだわりました。その結果もあり、企業内で経営のことがわかる人という認識が広がり、楽器店を支援する部署がつくられました。そこでは、決算書の分析や研修を行うなどで、本当の意味での“企業内診断士”になりました。

—いつ独立したのですか?
結果的に定年まで勤めました。60歳を機に独立し、会社に籍を置いたまま個人事業主として外部の診断士の仕事も行っていましたので、その仕事をメインにしました。今までの企業内診断士としての仕事は、しばらく業務委託の形で継続していました。

—なぜ会社を設立したのですか?
個人事業主で、社長の第二の頭脳『セカンドブレイン』を屋号として活動していました。個人事業主として活動を続ける中で、より大きな仕事や、チームで行う仕事は法人格があったほうがいいと考えるようになりました。特に補助金の受託などで多くの企業を支援したいと考え、『城南コンサルティング株式会社』を設立しました。

■仕事をするうえで大切にしていることは?
—大切にしていることは何ですか?
社長へのリスペクトですね。社長はリスクを負って起業し、借金をし、従業員を雇用している。そして様々な苦労を乗り越えたからこそ今日があります。そうした社長から学ぶことは、多くあります。また、経営者と接する際は、良いところに着目するようにしています。そのうえで、外からの視点でどうしたらもっと良くなるのかについて、一緒に考えることを大切にしています。社長はアイデアややりたいことが豊富なので、社長の話をしっかり聴き情報を整理することを大切にしています。


(お互いに学べることがWin-Winの関係と話す星野部長)

■今後の展望は?
—城南コンサル塾との関わり方はどのようにお考えですか?
城南コンサル塾では『経営コンサルタントとしての考え方、やり方、人との付き合い方、仕事の取り方、仕事の仕方』など多くを教えていただきました。そこで学んだことをそのままやってきたことで今があると考えています。自分が教えてもらいながら学んだこと、役立ったこと、実践してきたことなどを次世代に伝えていきたいです。

—城南コンサル塾の理念はどのようなものでしょうか?
城南コンサル塾では、次世代に伝えていく『恩送り』の考え方が浸透しています。スタッフ全員が『恩送り』を共通の考えとして持っているため、良い伝統が続いているのだと考えています。また、先輩と後輩、同期の仲間などに関わらず、相互啓発でお互いに学びあうことを理念としています。

—城南コンサル塾の卒業生はどのように活躍していますか?
城南コンサル塾は、世の中から求められる経営コンサルタントの育成を目指しています。卒業生は企業内・独立を問わず、各々の分野で活躍しています。卒業生の実践する場、実務をしながらさらに成長する場として「法人」を設立しました。


(城南コンサル塾、補助金・経営革新計画エキスパートコースを主催)

—個人としてはどのようなことをお考えでしょうか?
個人的なライフワークとしても『人を育てる』ことにこだわっていきたいです。仕組みを構築し、教育することを行ってきました。誰が行っても、よい結果が出せるということが大切だと考えています。コンサル塾以外にも、実務補習やエキスパートコースでも、同様に仕組みを構築し、教育することで『人を育てる』ことに携わらせていただいています。何事もはじめに適切な指導を受けることで、後で苦労することが少なくなると思います。よく言われるように、魚を与えるのではなく、魚の採り方を学んでいただくことで、仕事が取れ仕事ができる診断士を育成できると考えています。

■支部活動で何を行うべきか?
—支部に入り、どのような活動を行えばよいでしょうか?
支部に入ったからといって、自動的に仕事が舞い込んでくることはありません。支部活動は、会社組織とは異なる組織体での活動です。各種イベントへの参加、部や研究会への活動、コンサル塾への参加などを通して、様々な情報を得ることが大切です。自分にあったグループを見つけることから始めてみてください。様々な人に会い、少しでも興味を持ったらグループに飛び込んでみて、自らの世界を広げることが、仕事を得るきっかけとなります。

■若手会員に向けたアドバイス
—若手会員に向けたアドバイスをお願いします。
診断士資格の取得おめでとうございます。また、城南支部へようこそ。自分の経験、キャリア、考えなどを踏まえ、診断士資格を有効活用していただきたいと思います。診断士資格は、自分の考えた好きな歩み方を実現できます。自ら必要な情報を収集し、人生の戦略や計画を立て、実践してください。城南支部には、素晴らしい先輩やお手本になる診断士がたくさんいますので。

星野部長のライフワークである『人を育てる』は、チームでより多くの企業を支援していきたいという思いが根底に感じられました。星野部長、お忙しいところ貴重なお時間を割いていただきありがとうございました。

【筆者紹介】

髙橋 潤(たかはし じゅん)
2019年 中小企業診断士登録。MBA、ITコーディネータ、PMP。
自動車業界、旅行業界、IT業界などに強みを持つ企業内診断士。

21/04/29 18:24 | 投稿者:羽田巧

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