各種報告
事業承継実務研究会_2023年7月例会報告

日時:2023年7月11日(火)18時30分~20時00分
場所:品川区大崎1-11-1 南部労政会館 第3講義室
出席:合計15名
演題:「東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センターの事業承継支援」
講師:東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センター
統括責任者 和田栄様  サブマネージャー 大木俊之様

内容:
1. 事業承継・引継ぎ支援センターの紹介
2. 中小企業事業承継の現状と事業承継・引継ぎ支援センターについて(和田統括責任者様)
3. 東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センターのM&A事例(大木サブマネージャー様)

所感:
和田様は、3ヶ月前に退職して支援センターに入られたとのこと。新鮮な感想も交えながら、お話を聞くことができた。
全国に後継者不在のため第三者に引継ぎたい事業者が2,500件、逆に引き受けたい事業者が7,500件ほどセンターに登録されている。センターに相談のため来訪されるのは、圧倒的に小規模事業者が多いとのこと。全国で相談件数は昨年度22千件、累計100千件、2年/拠点・日を受けている。相談内容では、「譲渡したい」件数が増えてきている。自治体や商工会が事業者に対して、出張相談を始めた影響もある。出張相談が活発化している拠点は、女性が担当者で熱意を持っていることが多かった、とのお話は首肯できる気がした。
赤字事業者からの相談が増えているそうで、赤字でも事業譲渡で経営資源だけ引継ぐ事例が増えていることは覚えておくべきと感じた。譲受側では、創業希望者が創業時のリスクを軽減するため希望することが増えているのは興味深かった。創業希望者の話を聞くと、業種が不明瞭だったり、「マネジメントならできる」といった話が多く、自分で何でもやる必要のある中企業経営者とのギャップがあるとの話も納得感があった。
課題となる相談事例のお話では、代表者借入金の解消、複数の株主、株主の認知症、と現場に即した論点が挙げられていたのも面白かった。

大木様は、2019年頃に支援センターに合流された。
一昨年位から、個人で譲受けたいとの希望者が急増した。株でもうけた20-30代の若い人が投資目的で来る人も増えた。会社員で数年後を目標にしている人もいる。中小企業経営者は現場に入り込む必要があり、待ったなしも多く、中々マッチしないとのお話があったのは印象的だった。
M&A事例を5例お話し頂けた。各々違うケースがあり参考になった。いずれも一筋縄でいっておらず、現実の難しさを実感できた。第三者への引継ぎを望む事業者は、連帯保証からの解放を安易に考えていることがあるとの最後の話も頭に残った。

23/07/11 19:14 | 投稿者:牧田和泰

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