各種報告
城南プログラム開講記念【第4部】超実践的!補助金・経営革新計画エキスパートコースについて

令和4年度、城南支部で新たにスタートした「城南プログラム」。その中の「補助金・経営革新計画 支援コース」を主宰する星野先生に経歴やコースの概要、受講者のその後について話をお伺いしました。

―星野先生の経歴や、中小企業診断士を目指した理由を教えてください。

私は浅草の土産物店を営む両親のもとに産まれ、中小企業の社長として経営に勤しむ父の背中を見て育ちました。
将来は自分が観光土産店を継ぐであろうと漠然と考えていましたが、まずは家業とは異なる大きな組織で外の世界を見てみようと、ヤマハ株式会社に入社しました。ヤマハでは製造以外の、営業から商品企画、マーケティングや広報、教室運営等、多岐に渡る仕事をさせていただきました。
そんな中、中小企業診断士を目指した理由は大きく2つあります。

1つ目は経営者の相談相手となるべく、経営について体系的に学びたいと考えたからです。
楽器販売の取引先である全国の楽器店はほとんどが中小企業で、社長と接する機会が多くありました。
社長の相談相手は税理士が大多数を占めていましたが、税理士は会計や税務の専門家で経営の専門家ではないため、売上拡大や人材活用などの経営課題については必ずしも適切な助言がなされていないように感じていました。
そんな中、担当営業として集客や販売についての提案や他社での成功事例をお伝えすると、とても喜んでもらえたのです。
そういったことをお伝えしていくと相談される機会も増え、それに応えるため経営について体系的に学びたいと思うようになりました。

2つ目は退職後も自分の力でやりたい仕事ができるようにするためです。
50歳に差し掛かる頃に定年後のことについて考えるようになり、世論的にも65歳まで働くことが一般的になり始めたころでした。
そんな中、中小企業診断士という資格があることを知り、この資格であれば年齢に関係なく自分のやりたいことができるのではないかと思い勉強を始めました。
資格取得後はヤマハで働きながらも経験を積むため、当時はまだ一般的ではなかった副業ができるよう社内各所に調整を行い、コンサルタントとして活動を始めました。

――ヤマハに勤務しながら中小企業診断士としてのキャリアを始めたわけですね。今は経営革新計画と補助金支援に関するコースをお持ちですが、経営革新計画や補助金に関する業務もこのころから行っていたのでしょうか。

そうですね。当初は公的機関の専門家派遣による企業診断が中心でしたが、経営革新計画や補助金申請の支援も並行して行っておりました。
そんな中、2016年に企業診断ニュースに経営力向上計画について執筆したことが転機となりました。
2016年に経営革新計画の弟分とも言うべき経営力向上計画という施策が始まり、その解説記事を執筆しました。
執筆にあたり、経営力向上計画について知るため、各種資料の確認や経営革新計画との比較、中小企業庁へのインタビュー、付随する補助金について調べその内容をまとめたところ、多くの方からわかりやすいと好評をいただきました。
そこから講演など、各方面からお声をかけていただくようになったことが大きかったです。その結果、事業計画や補助金の専門家として認識していただけるようになりました。

―現在開講されているコースの礎となったのですね。コースの詳細について教えていただけますでしょうか。

補助金も経営革新計画も、私を含めた3名が講師となって講義を行い、執筆/添削指導等を行っています。
2023年のスケジュールは以下を予定しています。

―執筆からレビューを1週間でこなし、それを毎週…。なかなかハードなスケジュールですね。

はい。本コースの目的は中小企業診断士の仕事の王道ともいうべき、事業計画の策定支援ができる専門家の養成です。
事業者と共に事業計画を策定し、その事業計画を実現するために補助金があると考えています。また事業計画を学ぶには経営革新計画が最適であると思っています。ですから補助金コースではなく、「補助金&経営革新計画エキスパートコース」としています。

また、実務では補助金の申請支援はおおむね1か月での支援となりますので、実際のスケジュールに合わせた設定です。このスピード感でないと実務はこなせません。
スケジュールもそうですが求められる内容のレベルも高いので、しっかり学びたいと覚悟を持った人に来てほしいと思っています(笑)

当コースの前身は、当社が受託した案件を依頼するための、城南コンサル塾OB向けのプライベートコースです。
2日間のプライベート速修コースをベースとして、コンサル塾OBに限定せずに、補助金や事業計画の基礎知識と、実践的な内容が学べるエキスパートコースへと発展させました。
内容としては超実践的なカリキュラムとなっています。講義の後には実際の案件を元に作られた事例を補助金のスケジュールで執筆していただきます。私が社長役となってインタビューの訓練を行うこともあります。
執筆していただいた原稿は受講者で相互評価をし合った上で講師がレビューし、修正を繰り返すことで採択されるレベルに仕上げていきます。

講義は一般論を教えるのではなく実践していただきます。ただし「ここはこう書け」と指導するのではなく、「これはこういう背景の補助金で国が求めているころはこういうことだから、書くべき内容はこういう内容だよね」という形で施策の背景や意図の説明をしています。
自社都合で求められていないことを申請しても採択されないので、そういう意味では経営計画の策定や補助金の知識習得のほか、本質をとらえる練習の場にもなります。
上辺の知識だけでなく、相手の真意をヒアリングや情報から見極め、限られた時間の中で結果を出せる人材となることで、支援機関や企業から求められる専門家となってもらえればなと思います。

―本コースの受講者のその後について、ご存じであれば教えてください。

コースで学んだことを活用して個人で補助金の支援を行っている方や、補助金の審査員となる方もいますね。
案件を希望する方には、当社が受注する補助金や計画策定などの案件をご依頼しております。実際のところ個人で営業活動を行い、支援から回収まで行うのは大変です。
これまで受講生に依頼した案件はほとんど採択されているため、数多くの案件の受注につながっております。

―ありがとうございます。最後に新人会員へ一言お願いします。
色々な経験をされるのがいいと思います。研究会に参加する、自分の会社の分析を行う、など企業内にいてもできることはたくさんあります。
試験に合格した皆さんであれば時間の捻出はできるはずですので、なんとか時間を作って経験を積んでもらいたいと思います。経験を積まないと見えないこともたくさんありますからね。

【筆者紹介】

関根真悟(せきねしんご)
青山システムコンサルティング株式会社。中堅中小企業向けにシステムコンサルタントとしてシステムに関する支援を行っている。2022年5月中小企業診断士登録。

23/02/19 15:35 | 投稿者:羽田巧

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