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城南プログラム開講記念 【第3部】 山川副支部長主催3つのエキスパートコースに秘めた想い(前編)

城南プログラム開講記念【第3部】

山川副支部長主催3つのエキスパートコースに秘めた想い(前編)

 診断士の独立指導、地域支援、顧客開拓プロジェクトの印象が強い山川茂宏副支部長。2022年度は城南支部で3つのエキスパートコースを開講されています。1回では紹介しきれない盛りだくさんの内容のため、2回に渡って取材内容をお届けします。前編では、山川副支部長のお人柄、そして3つのエキスパートコースのうち『稼ぐ独立診断士養成講座』開講に秘められた想いに迫ります。
 

自らもベテラン診断士から研修や独立ノウハウを学んだ若手時代


-独立経営コンサルタントになるまでの経緯を教えてください。
 中小企業診断士の資格を取得した1998年当時、私は生活協同組合に10年ほど勤務していました。コンサルタントになろうとコンサル会社への転職を考えていた時、城南支部から冊子『診断』が送られてきて、そこで新たに設立された「城南コンサル塾」の存在を知りました。見学に行ったところ、残念ながら1期生の募集は締め切られていて。そこに現れた小黒先生に来期の募集時期について教えてもらい、私は城南コンサル塾の2期生となりました。1999年から1年間かけて城南コンサル塾で学んだ結果、そこで独立という選択肢に気づき、2000年1月1日に経営コンサルタントとして独立することにしました。


-2000年当時はどのような活動をされたのですか。
 中小企業診断士の資格を取ったものの、中小企業診断士としての仕事はありませんでした。しかし、それが良かったのかもしれません。まず大企業向けの研修講師の仕事からスタートしたのですが、競争相手は診断士ではなく研修を専門にするプロ講師たち。その中で仕事をしたことで研修講師として鍛えられ、それ以降研修の仕事が来るようになりました。


-もともと生協で講師業の経験があったのですか。
 いや、あまりなかったですね。城南コンサル塾での経験と「とりあえずやってみよう」という気持ちからです。できないとは思わなかったですね。学生時代に歴史が好きで歴史の教員を志望していたことも関係していたのかも。昔から人に何かを教えるのが好きでした。


-独立して「食えるな」と感じたタイミングはいつ頃ですか。
 浅江季光(あさえすえみつ)さんという立派な先輩診断士がいて、中央支部の診断士仲間が作った「経営創研」という会社に誘ってくれました。浅江さんは30年以上企業研修の仕事をしていた方で、当時70代半ばでしたが、全部自分でWordを駆使して研修資料を作っていて。「俺の研修を見に来るか」と言って岩手県まで車で連れていってくれました。「研修テキストは印刷領域を右側に寄せて、ページの左側にはとじしろを作れ」など細かいことも丁寧に教えてくれました。そんな浅江さんを見て「俺もこのスタイルでやっていけば飯が食えるな」と思いました。その結果か、1年目が300万円だった収入は、2年目は600万円、3年目に800万円と順調に増加していきました。ただ、大企業は研修予算は大きいものの優秀な人材も社内にたくさんいることから、その後は徐々に中小企業向けの研修にやりがいや興味が移っていきましたね。
 
 

言葉通り「独立して稼げる診断士」を作りたくて、実務家から本物のノウハウを提供したい


(出典)コース申請書より

-エキスパートコース『稼ぐ独立診断士養成講座』は全5回の内容で22年7月から始まりました。この講座の開講経緯を教えてください。
 まず私とエキスパートコースのかかわりから説明します。城南支部の前支部長の椎木さんが「中央支部のマスターコースのような、稼げる診断士を育成する取り組みを行いたい」と音頭をとり、2018年に城南支部にエキスパートコースが誕生しました。1年目、私は自身の専門領域を軸に『食品専門家(フードチェーンコンサルタント養成)コース』を作ったのですが、知識は提供できたものの、食品業界で稼げる診断士を作るのがなかなか難しいとも感じました。方針を変更し、2年目は『城南プロ研修講師養成講座コース』を作りました。研修講師業はリピート受注を生み出す水準までスキルを高められると、大企業でも中小企業でも展開できるので、稼ぐには一番重要だなと思ったからです。
 
 本題の『稼ぐ独立診断士養成講座』ですが、「このテーマは城南コンサル塾で扱った方が良い」と議論を重ねたものの、最終的に切り出して別々に運営することにしました。私たちの頃は「独立するため」の城南コンサル塾でしたが、今は「将来、57歳頃に独立します」という多少中期的な独立診断士養成コースになっているように感じています。私としては若いうちから独立する診断士を増やして、その人がしっかり数千万円を稼げるようにしたい。そこを支援したくて、この講座を2022年から始めました。


-どのような内容ですか。
 やはり実際に稼いできた人から学ぶのが良いだろうと。私が尊敬する5人のベテラン診断士を招き、「独立してどんなことをしてきたか」「何が必要なのか」を直接話してもらいます。講師には、東京プロコン塾2代目塾長の佐藤正樹さんや、私の診断士人生で「この人が一番すごい」と思った、女性向け起業塾や女性診断士が活躍できる場を作ってきた川口佐和子さん。さらに、三多摩支部前副支部長の金順玉さんや城東支部前副支部長の山下義さん、そして政府の専門委員でもある山下浩史さん。この5人は皆が後輩思いでずっと後輩を育ててきた人たち。受講生には彼らから多くを学んでもらいたいです。講座の内容としては、午前中に話し方や高評価の獲得の仕方などのトレーニングを行います。午後はまず独立3~5年目の診断士に独立エピソードを語ってもらい、身近で親近感のある内容を学びます。その後にベテラン診断士の講演を提供する構成としました。


-始まったばかりですが受講生の反応はいかがですか。

 この講座は「独立」の要素をかなり尖らせて作っているので、なかなかインパクトがあって受講生にも刺激になっているようです。私もいろいろアイデアが湧いてきて、診断士の持つ多様なノウハウをどうすれば販売できるか、診断士の活躍する場をどうやって広げていこうか、を考えながら話したりしています。


-独立診断士や独立を目指す診断士にアドバイスはありますか。
 私は以前、城南コンサル塾の初代塾長の杉本先生から「セミナー講師とか何でも良いから、1日10万円を稼ぐ仕事ができるようになれ。その仕事を10日間やって月100万円を稼げ。それで生活は何とかなる。残りの10日間は自己投資やセミナー参加で勉強しろ。最後の10日間は繁盛店を見て回ってインプットしろ。」と言われました。収入云々じゃないけど、自分の対価として1日10万円稼げるんだという感覚を、いろんな仕事で持てると良いと思っています。独立診断士が2000万円、3000万円稼げるようになってほしい、診断士業界全体の底上げをしたいなって、私は本気で考えています。

 

 【筆者紹介】
小野慎介(おのしんすけ)
 株式会社シナリオメイク代表取締役。ベンチャー企業で経営陣としてマザーズIPO実現後、自らも独立起業し、中小・ベンチャー企業向けに「勝ち筋」の発見や売上拡大支援を行うマーケター。2022年5月、中小企業診断士登録。

22/09/10 23:44 | 投稿者:羽田巧

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