経営お役立ちコラム
中小企業の経営に必要なIoT入門

1.IoTとは何だろう?

 最近、AI(人工知能)と並んで、「IoT(Internet of Things)」という言葉が世間を賑わせています。直訳すると、「モノのインターネット」です。今までつながっていなかったものが、あらゆるところでつながることで、遠隔操作や故障予知ができ、自動化により業務改善ができます。
 ところが、IoTは定義が明確になっていない、関連する産業や技術が非常に広い、などの理由から、中小企業の中には、IoTという言葉は聞いたことがあるが、イメージがわかない、何がすごいか分からない、何から始めたらよいか分からないという声を聞きます。

 今回は、中小企業で身近で使われているIoTをご紹介し、業務改善に使えるヒントを提供します。

2.小売や飲食店でのIoT活用

 ネット通販サイトのアマゾンがオープンした無人コンビニ「Amazon Go」が有名ですが、無人店舗などで使われているしくみを一部ご説明します。
 まず、店員となる店舗スタッフとしては、ロボットなどによる自動案内や商品の自動配置があります。自動販売機ですと、商品が欠品しそうな場合に通知を行うことで補充を迅速に行うこともできます。また、万引き防止の自動防犯などもあります。さらに、POSレジによる品切れ予測による自動注文もできます。逆に、顧客にとっては、顔認証を利用した自動精算の仕組みもあります。

3.働き方改革における在宅勤務へのIoT活用

 会社と家がインターネットを通じてつながることで、出社しなくても会議、労務管理や情報共有が可能になります。これにより、コスト削減、時間短縮となり、ワークライフバランスの実現に加え、介護や育休をしながら仕事が続けられる環境を提供できます。

4.サービス業でのIoT活用

 ウーバー・テクノロジーズが運営するWebサイトおよび配車システムである「Uber」が有名です。運転手はフリーランスで、空車のタクシーがどこにいるかをシステムが把握し、配車を自動化しています。Uber自体は、運転手を雇用せず、タクシーも不要ですので購入からメンテナンス費用まで不要です。このような仕組みは新たな価値創造になっています。
 中小企業ですと、コインパーキング、コインランドリー、ロッカー、会議室などの空き状況の把握や予約システムにも活用できます。また、バスの遅延状況を把握するために、バスの運行状況が把握できるというのもあります。さらに、預けた子どもの状況を外部から確認する託児所の状況監視にも役立ちます。

5.製造業でのIoT活用
 
 製造業のものづくり現場でのIoT活用は、生産性向上、コスト削減、品質向上に寄与します。それらを生産管理システムと連携して効果を上げているところが多いです。
 まずは、センサーを通じてデータを取得することで設備の稼働状況を把握や故障予知ができています。また、検査工程では、外観検査等での画像認識を利用しての自動化が行われています。目視で監視、そして紙にチェックし、最後にExcelに転記している現場を変えていかなくてはいけません。

6.経営に活かすIoT活用とまとめ
 
 企業でIoTを推進していくためには、幅広い知識よりも、企業自身が最適で一体化した業務に変えていく体制をつくることが重要です。そのためには、経営的に何を達成したいかを決め、そこで必要な対処事項と情報は何かを定義します。その後、どういう分析やデータが必要であるかというようにデータの流れとは逆方向に思考することが大切です。
 IoTは5年後10年後には現在のスマホのように当たり前に使われ、なくてはならない存在になっていることでしょう。今のうちから、IoTについて少しだけ考えてみてはいかがでしょうか。

山森 直樹

19/11/30 21:00 | カテゴリー:,  | 投稿者:広報部 コラム 担当

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