経営お役立ちコラム
中小企業におけるWeb集客戦略~BtoCビジネスにおいてWeb集客を成功させるためには? ~

■1.Web集客には流入チャネルの多様化が必要
前コラムで触れたようにSEO対策はWeb集客を行う上での基本的な施策の一つである。Web集客の効率性を高めるには、SEO対策だけでなく、複数の流入チャネルを持つことが重要だ。Web集客を成功させるための考え方として、「アクセス数」×「購入率」があるが、多様な流入チャネルを確立することで、「アクセス数」の増加が期待できる。本コラムでは、「アクセス数」を増加させるための具体的な手法について触れる。

■2.SNS活用を活用したマルチチャネルの確立
「アクセス数」を増加させるための施策の一つがSNS活用だ。昨今、ビジネスシーンにおけるSNS活用は重要性を増しており、飲食店などはSNSだけで集客を成立させられるほどだ。SNSにはInstagram、Twitter、TikTokなどさまざまな種類がある。どれかひとつを運用するのではなく、全てのSNS運用を行いたい。但し、まずは重点的に運用するSNSとして、TikTokの活用を勧めたい。TikTokの特徴は拡散性が抜群に高く、他のSNSでは基本的に自社アカウントをフォローしているユーザーのみにしか情報が届かないのに対して、TikTokでは自社アカウントをフォローしていないユーザーに対しても自動拡散が可能だ。そのため、0からSNSアカウント運用を始める際にもフォロワー数を伸ばしやすい。

また、TikTokでフォロワー数を獲得することで、他SNSにも好影響を生むことが出来る。例えば、TikTokを導線としてInstagramへ送客することで、効率的に他SNSアカウントを伸ばすことが可能だ。このようにTikTokを主軸にSNSアカウントを育てた上で、各SNSからHPなどへリンクを貼ることで「アクセス数」を増加させるための流入チャネルを獲得できる。

■3.インフルエンサーとの協業による認知獲得
次に活用したい施策がインフルエンサーマーケティングだ。主にBtoCビジネスにおいて有効な施策となる。インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーと呼ばれる影響力のある個人に自社商品を紹介してもらい、インフルエンサーのSNSアカウントやYouTubeアカウントを導線としてアクセス数を集めるものだ。同時にキャンペーンを企画することも有効である。例えば、購入商品にInstagramで写真とタグ付けをして投稿すると〇〇がもらえるなどの付録を同梱しておくことで、購入者のSNS投稿を誘発させる。これによって購入者が持つフォロワーに自社商品の認知を広めることができ、それを見た消費者が興味を持ち、商品を購入するなどの2次拡散が期待できる。また、メガインフルエンサーと呼ばれる商品紹介に多額の資金が必要になるインフルエンサーでなければ、試供品を送付することで、商品紹介を行ってもらうことが出来るため、ターゲットを絞り込めば投資対効果の高い施策となる。

■4.Web広告による即効性のある集客
上記に挙げた施策と異なり、ある程度の予算が必要だが、Web広告も有効な施策の一つだ。Web広告にはさまざまなものがあるが、その中の一つにリスティング広告がある。これはGoogle検索の結果に自社のHPやLP(ランディングページ:単一の商品を売るためのセールスページ)を優先表示させるものであり、例えば、「東京都 カフェ」で検索した際に、自社のカフェサイトを優先的にユーザーに表示させる。リスティング広告の特徴として、カフェを探すためにインターネットで検索している「顕在ニーズ」を持つユーザーに対して情報を提供できる。そのため、集客効果が非常に高い。ただし、リスティング広告は、広告欄に表示されている自社サイトがクリックされるたびに課金されるため、広告費と自社商材の利益率とのバランスが重要になる。リスティング広告を運用するには、CPA(顧客獲得単価)やCVR(購入数/アクセス数など)を念頭において運用を検討したい。

 

ここまで「アクセス数」を増加させるための施策を検討してきたが、「アクセス数」を増加させたとしても、その後の「購入率」が低ければ売上という成果には結びつかない。次回のコラムでは、「購入率」について触れ、増加させたアクセス数を売上に繋げる施策を紹介する。

 


第1回:中小企業におけるWeb集客戦略~Webが齎(もたら)すビジネス環境の変化~


<<執筆者>>

 

 

 

 

関野 靖也

2021年 中小企業診断士登録
大学卒業後、大手IT企業に就職し、「システム運用・BCP計画策定・自動化」業務に従事。
退職後は株式会社ウブントゥを起業し、ヘルスケア事業・Web事業を運営。

 

Web:http://ubuntu-gp.jp/

22/04/30 08:00 | カテゴリー:, , ,  | 投稿者:広報部 コラム 担当

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