経営お役立ちコラム
創業期・成長期の中小企業支援事例 (1)組織・人事

経営者の最も重要な役割は「経営」をすることではありません。
「ビジネス」をすることです。このことは、特に創業期から成長期
にかけての企業において最もあてはまります。

このテーマで、実在の企業の事例をもとに再構成したストーリーを、
今回から3回にわたってお届けします。
第1回の今回は「人の活かし方」で悩んでいる社長の事例です。

◆ 夜型クリエーターの時間管理は

A社は創業2年目のウェブ制作会社です。社長のF氏は、大手広告
代理店から独立した、優秀なグラフィックデザイナーです。独立後、
F社長の才覚で大口の受注も獲得し、業務が急拡大しています。
従業員も10名を超えて増え続けています。
今までA社では、給与規定もきちんとせずにきましたが、そろそろ
いろいろな不満が従業員の間で高まってきているようです。

(1)制作サイドの社員からは、「クリエイティビティが要求される
デザイナーやプログラマが、事務職と同じ給与体系では、
おかしいのではないか」という声があります。

(2)一方、事務職の社員からは、「デザイナーは決まった時間に
出社していないが、夜中など、どれだけ本当に仕事して
いるのかわからない。
残業代を自己申告で支給するのはおかしいのではないか」
という声も出ています。

(3)また、F社長の友人の会社経営者からは「10人を超えると
就業規則作らないとダメだよ」という話も聞きました。

(4)さらに、別のデザイン会社を退社したデザイナーが、退社前
に自分が作ったデザインの著作権を主張して問題になったと
いう話を聞いたことがあり、F社長はそれも気になっています。

◆ 理想はあるが考える時間がない

F社長はデザインや広告には詳しいですが、人事制度については
今までそれほど深く考えたことはありません。ただ、上記のような
問題意識は持っています。そして自分の会社の「人の活かし方」に
ついては漠然とした理想のようなものを持ってはいます。しかし、
具体的に人的資源管理の仕組みをどう設計するかということになると、
経験がありません。ゼロから勉強しなければいけないのでしょうか。

それでなくても、社長というのは日々、決めなくてはいけないこと
が多いのです。
皆さんならば、F社長にどうアドバイスされますか。

◆ 「経営」はしなくてよい

この3回シリーズのテーマである、経営者は「経営」をするな、
と言うときの「経営」とは、本来経営者が行うべき「経営」の周辺
にある、もろもろの「経営管理的作業」のことです。

A社の例で考えてみます。人事管理制度には一般的にどのような
制度があり得るのか。それぞれの制度の思想や長所・短所は何か。
法律上の注意点は何か。自社の現状や将来のビジョンから見て、
どのような制度が適しているのか。こういったことをF社長が自分で
勉強して、よく検討して、自分の最も納得する制度を設計する、
などという時間はありません。

ではそういう作業を任せられる部下がいるでしょうか。多くの
創業期の中小企業にとって、このような、会社の根幹に関わる制度の
設計を担当できる人材は不足しています。

では、どうしたらよいのでしょうか。

◆ 解決策

筆者は、適切な人材がいないと感じるのであれば、中小企業診断士に
任せていただくのも一案だと思います。現状のヒアリングをもとに、
「御社の場合、こういうやり方とこういうやり方が考えられます。
それぞれの留意点は…」のように、選択肢を整理して示すことが
できるのが中小企業診断士です。また、必要であれば経営者への
コーチングを行うこともできます。経営管理を担当する人材を採用
するよりもリスクやコストは少ないと思います。

社長の仕事はビジネスをすることです。具体的には、戦略を決定し、
戦術を実行することです。価値を生み出し、顧客を生み出すことです。
それこそが、社長の夢を実現することではないでしょうか。

中小企業診断士は社長の夢を実現するお手伝いをいたします。
どうぞ城南支部にご相談ください。

加藤雄紀

12/12/23 09:47 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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