経営お役立ちコラム
システム改善による売上増強とリーマンショック、東日本大震災
2回目の今回は、効果をあげたシステム化の事例を中心にお話し
します。3年にわたり悩まされた販売システムの不具合が落ち着いて最初
に行ったことは、標準品(カタログ品)の売上増を目的とする
インターネット受注システムの改善強化です。X社は景気の低迷も
あって売上が伸び悩んでいました。ところが、圧倒的なシェアを誇る
ライバル企業は、インターネットの利便性を訴えることにより、
売上げを伸ばしていました。商品数は50万品目を超え、商品コードは
最大100桁にもなりますから、発注(受注)の入力負荷、入力ミス
を考えれば、インターネットの利便性は明らかです。ところが、X社では、形ばかりのインターネット受注システムは
開発したものの、受注の大半は、電話とFAXで行われていました。
そこで、3年でライバル企業に追いつくことを目標に、段階的に
レベルアップを図りました。そして、機能的に追いついたところで、
注文品をパソコン画面上の2次元図面や3次元画像で確認できる
機能、パソコン画面のガイダンスに従って、サイズ等を順次入力する
ことで注文を可能とする仕組み等、ライバル企業比優位に立てる
機能を開発しました。この結果、インターネット受注金額は年間
2億円から年間30億円に15倍の大幅増となりました。

次に行ったことは、オフコンベース、パソコンベースと、国内
3工場でバラバラの生産システムの統合・再構築です。特に、主力
旗艦工場のオフコンシステムは、メーカのサポートが切れており、
待ったなしの状態でした。経営陣からの指示は、「5億円の範囲で
至急何とかして欲しい」と言うものでした。これを、以下の施策
により、20百万円、1年で完成させました。

(1)業務プログラムは、パソコンプログラムを極力流用し、
新規プログラム作成はさける。

(2)3工場のデータを、主力旗艦工場コンピュータ室の
コンピュータ内に置き、各工場のパソコンから
インターネットでアクセスするプライベートクラウド
方式を採用する。

(3)3工場のデータを置くコンピュータは、販売システムの
処理能力増強のため、新たに処理能力の高いコンピュータ
を導入したことから不要となった販売システムの
旧コンピュータを転用する。

3番目に申し上げるべきシステム開発案件は、全売上の3分の2
を占め利幅の大きい特注品の売り上げ増大のための見積システムの
構築です。特注品は、顧客からの製造図面の提示を受け、価格と
納期を見積る個別受注生産です。ところが、受注に結び付くのは、
見積もり依頼の4分の1程度にすぎません。そこで、見積もりの
効率化、精度向上による受注率引上げを目指しました。具体的には、
以下の通りです。

(1)見積もりに必要な製造図面を紙ベースから電子ファイル
ベースとする

(2)見積もり担当者と営業担当者間の問合せを、FAXや
電話からメール・スタイルの問合せパターン別に最小限の
入力で可能とする問合せ専用システムを開発する。

(3)顧客別の図面、見積もり結果、受注・失注状況をデータ
ベース化し、容易に参照可能とする。

(4)営業担当者にiPADを携行させ、画面上での図面及び
3次元画像により、顧客先での事前の詳細確認等を可能
とする。

こうした開発中に、リーマンショックとX社主力旗艦工場を含む
2工場のある岩手県を直撃した東日本大震災がありました。
リーマンショックでは200人のリストラを余儀なくされ、
東日本大震災では家を失った従業員も少なくありませんでした。
そうした中、システムの強化は、売上を下支えし、効率化効果は、
200人の減員をカバーしました。まことに、システムの効果は
大きいと言うほかはありません。

しかしながら、製造現場については、目立った成果をあげること
ができませんでした。その原因等については、次回に申し上げる
こととします。

倉持俊雄

12/10/14 09:02 | カテゴリー:,  | 投稿者:椎木忠行

城南支部メールマガジン
我々城南支部では、経営コラムを毎月発信するメールマガジン「経営ねっとわーくマガジン」を発行しております。城南地区の各区の情報や当支部員他が執筆する経営に関する情報、ノウハウなどを掲載しています。ぜひ、ご覧下さい。

購読のお申し込み
ご購読の申し込みはこちらからどうぞ。


このページの先頭へ戻る