経営お役立ちコラム
”クラウド”で社内システムの費用を削減しよう

“クラウド”―「意味は分からないけど言葉だけは良く聞く」
そんなイメージをお持ちではないでしょうか。コンピューターに
詳しい社員に聞いても仮想化、SaaS、SOA…意味不明な言葉ばかりで
聞けば聞くほど分からなくなる。「中小企業にはクラウドなんて
関係ない!」と思わず怒鳴りそうな経営者や経営幹部の方々、
少しだけ待って下さい。「予算ゼロから始める情報活用最前線」
の最終回は”クラウド編“です。

【結局、クラウドって何なの?】

クラウドを一言で説明すると「インターネット経由でクラウド
事業者が提供するシステム(ソフトウェアやハードウェア)を
共同で利用すること」です。
会計ソフトを例にして説明します。従来は会計ソフトを利用する
には、経理部一人ひとりのパソコンにソフトウェアを導入していま
した。しかし、クラウドではサーバに導入されている会計ソフトを、
インターネットを経由して経理部員全員が同じ会計ソフトを利用
するイメージです。

クラウドには自社や関連企業のみで使うプライベートクラウド
と不特定多数の企業が使うパブリッククラウドがあります。パブリ
ッククラウドは企業という枠にとらわれず、複数の企業が同時に
同じソフトウェアやハードウェアを使えることができるため安価に
システムを使用できます。以下では中小企業に向いている
パブリッククラウドを中心に説明いたします。
“クラウド”とは、雲の図で表現されるインターネットを指すと
ともに、雲の中にあるシステムはどこに何が存在するかは分からな
いことを意味しています。自社には何も設置せずにクラウド事業者
のシステムを利用することをクラウド・コンピューティングと
言います。クラウドで提供されるシステムは、例にあげた会計ソフト
以外にも、顧客管理ソフト、グループウェア、データ保管等の膨大な
種類が存在しており、ユーザーはソフトウェアやハードウェアが
どこに存在するかを意識しなくても、月額使用料さえ払えば直ぐに
利用できるのです。

【クラウドって中小企業と関係あるの?】

あります。それは社内のシステム費用が削減できる可能性がある
からです。システム費用とは、ハードウェアの購入費やソフト
ウェアの導入費といった初期費用から、保守サポート費、インター
ネットの回線使用料等の維持費まで様々ありますが、中小企業が
最も頭を悩ます費用はシステム担当者の人件費ではないでしょうか。
社内でシステムを構築・運用しようとすると、プログラミングや
サーバ機器の操作といった技術をもったシステム担当者が必要と
なります。以前はシステムの構築・運用は社内で管理することが
一般的でした。それは、システムが少人数のシステム担当者でも
管理できるくらいの規模であり、またクラウドで提供されるシステム
も非常に高価であったためです。

しかし、昨今の技術革新の影響でインターネット回線の低価格化
に伴い、クラウドで提供されるシステムも割安になってきました。
反対に、システムの規模は大きく複雑になっていき、システム
担当者の人数も人件費も上昇してきました。このような背景から、
社内でシステムを構築・運用するよりも、クラウド事業者が既に
構築しているシステムを共同で利用し、使用料を支払う方が総額費用
を安価に抑えることができると考えられるようになってきました。

【中小企業のクラウド活用状況】

しかし、現実には中小企業のクラウドは充分に普及しているとは
言えません。米国のある調査によると、3年後には中小企業の4割
(現在は3割)が有料クラウドを導入する計画を立てているそうです。
しかし、依然として6割は社内でシステム構築・運用をしており、
その傾向は今後も続くと予想されています。
社内の重要な機密がインターネットを経由して漏れるのでは
ないかというセキュリティ上の不安も理由の一つですが、最も
大きな理由は、クラウドで提供されるシステムを利用しても効果
の出る業務と出ない業務があるためです。では、どの業務に効果が
出るのでしょうか。同調査によると今後クラウドの利用率が伸びる
と見込まれる業務は、メール機能(10%)、会計/給与管理(14%)、
データ保管(15%)と予測されています。これらの業務で、
具体的に中小企業に適しているシステムを紹介します。

【中小企業に適したクラウド・コンピューティング】

クラウドの普及に伴いクラウド事業者からは無数のシステムが
提供されています。しかし、何の準備も無しに社内のシステムを
クラウドに切り替えるのはリスクを伴います。まずは、無料で
試すことができるシステムから導入してみましょう。

(1)「Google Apps for Business」

Google AppsとはGoogleが提供している各種ソフトウェアを
企業向けに利用できるようにしたシステムです。メール機能(Gmail)
やグループウェア機能(Googleカレンダー)、ホームページ作成
(Googleサイト)といった機能を“自社のアドレス”で利用
できます。また、高価なMicrosoft Officeと互換性のある文書、
表計算、プレゼンテーションを作成(Googleドキュメント)し、
保管(Googleドックス)することもできます。Google Appsを
導入するだけで大企業と同等のシステムを中小企業が利用する
ことができます。10ユーザーまで無償版が提供されており、
有償版でも1ユーザーあたり月額費用500円という低価格で
提供されています。

(2)「J-SaaS」

J-SaaSとは、経済産業省が従業員20名程度の小規模企業を対象
にIT投資・運用負担の軽減を目的に2009年3月より開始した
システムです。初期費用もかからず、使用料も比較的安価で
会計ソフト、給与ソフト、電子申告を一貫してワンストップ
で行えます。無料体験期間や運用開始前に相談できるサポーター
制度を儲けており、専任のシステム担当者を雇う事が難しい
小規模企業でも導入しやすいように配慮されています。

さて、全3回に渡ってお届けたした「予算ゼロから始める中小企業
向け情報活用最前線」ですが如何でしたか?中小企業の多くは
資金不足と人材不足という課題を抱えています。そのような課題を
抱えつつも成功している中小企業は共通して敏捷性を兼ね備えて
います。大企業では時間がかかることでも、中小企業なら即座に
行動に移すことが可能です。情報活用においても、この強みである
敏捷性を活かして、まずは予算ゼロから始めてみて下さい。

長瀬勝好

11/10/23 12:23 | カテゴリー: | 投稿者:椎木忠行

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