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城南支会 創立45周年記念講演の要旨 (文責:松本寿吉郎)
 ●日  時:平成16年5月29日(土)16:10〜17:30
 ●講演題目:『理想とする これからの「介護ビジネス」〜中小企業診断士に期待すること〜』
 ●講 演 者:株式会社 ベネッセスタイルケア取締役(元 伸こう会株式会社 代表取締役社長)
         片山ます江様


女性経営者に関心を持ったこと
かねてより女性経営者に関心が強く、ニュービジネス研究会に登場した多くの女性経営者の中でも最も印象の強かったのは、片山ます江氏であった。初対面よりおよそ8年間、臨床観察的にみた成果を、検証しながら、このたびの記念講演の要旨をまとめた。

高齢社会の気配を読み取った鋭い感性
1981年、もともと幼児好きなこともあり、近所の幼児を中心に小規模な無許可の保育園を開園した。その幼稚園の経営の中で、ある若い夫婦より、海外転勤することになったが老親を同伴することが無理であり、この難問の解決を受けたのが大きな介護分野にかかわる動機となっている。この時から高齢者の時代到来の気配を感じ、その予想を鋭い感性で指摘している。

苦しんだ幼稚園経営
一生懸命に経営に当ったが毎月電話代の支払にも事欠く実態で、借金を抱えての苦しい自転車操業が続いた。その苦しい中で教会生活にも深い繋がりがあり、ある日、有名人の世話をした。将来シスターになるつもりで独身を通した女性が骨折で、とあるカトリック系の病院に入院した。その病院で見舞を兼ねて何か世話ができないか、本人に尋ねたところ美味しい本格的な紅茶が飲みたいが勝手にはできない現状を訴えられた。本人は裕福ではないが若干の蓄えがありながら、入院のため自由にできない、そこで普通の人が普通に暮らせる、病気ではないのに病院で暮さなければならない現状を解決する施設を作ろうという結論に達した。

実現させた究極のアイディア
資金のない中では、安く物件を求めざるを得ないと思っていたところ格好な物件があり、その物件は高度成長時代に建てられた木造バラックのような独身寮で、その当時は見向きもされない物件であった。その独身寮を安く借り上げ、安い資金で改装、カーテンは手造り、食事も手造り、スタッフは保育園からで、約1,000万円の改装費で第一号をオープンした。その後、よきパートナーに恵まれたこともあり、1986年に始まった独特のシステムは順調に拡大、安い入居保証金、すべて個室、きめ細かいサービスが広く世間に認知されて行った。

株式公開ではなく、M&Aへ
一生懸命で、順調に拡大したが、気が付いてみたら中間管理者が育っていない現状の中で、不運にも入居者の死亡事故が発生、組織体制の構築が重要なことに衝撃をうけた。
たまたま、大手で介護に進出した企業が伸び悩み、このような中で株式公開よりも、提携の道を選び、創業時のパートナーとの持分を合わせて100%を譲渡している。この譲渡は正解だったと思っている。

中小企業診断士への期待と今後の夢
独身寮の再活用は必要に迫られた知恵であり、自身の力よりも時代の力がたまたまフォローの風になった。無いないづくしの中で徹底的にこだわり、大きいことよりも小さいことこそ素晴らしいものができることを実感している。
今後は、敗戦で新しいモノとの出合いに胸をときめかせたように、海外の各地で暮し、よいものを取り入れ、不自由な時に、チョットだけ手助けしてくれるような、自分自身が入りたいホームを作りたい。
シルバービジネスは、常識のある人であれば小さな単位で誰でもできるビジネスであり、諸先生の周りに、そのような提案があれば申し出ていただきお役に立ちたい。

21世紀は皆んなが老人の時代であり、“自立して生きる”ことの重要性について示唆を与えられた講演であった。                    

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