各種報告
2017年度 城南支部タイ・バンコク視察ツアー

城南支部国際部・会員部では、平成29年5月31日~6月4日の日程で、タイ・バンコク視察ツアーを実施しました。参加者は、溝口支部長を含め城南支部12名、中央支部2名、三多摩支部1名、企業経営者1名の計16名でした。
1.視察ツアーの目的
城南地区の中小企業がタイに進出した後、どのような過程でバンコク経済に定着できたのか、現地経営の状況及びタイの国際的サプライチェーンでの位置づけなどについて、現地で具体的な事例に触れることによって、コンサル活動への多くのヒントを得ることを目的としました。
また、ツアーに参加したメンバー間で、海外進出・展開を目指す中小企業に対してどのような支援が必要なのかなどについて意見交換会を行い、議論を通してより深い実践的なコンサル活動能力の向上を図りました。
2.視察内容
①視察初日
まず、JETRO及び日本政策金融公庫のバンコク事務所に立ち寄り、タイの一般情報、政治経済情勢、金融情勢などについてレクチャーを受けました。JETROの説明の中で、注目すべきものとして、タイ投資委員会が今後3~5年で次世代自動車、スマートエレクトロニクスなど11の産業分野に積極的に投資して、持続可能な経済成長を目指すという「タイランド4.0」、およびタイ周辺国の連携も見据えた大規模投資計画「東部経済回廊(EEC)」の紹介がありました。
午後は、城南支部と関係の深い大田区の現地法人を視察しました。バンコクから東南に位置するアマタナコーン工業団地内にあるオオタ・テクノ・パークに進出している大田区の中小企業2社の現地法人です。オオタ・テクノ・パークは、アパート形式のレンタル工場で2006年に開設されています。ここに自動車関連部品をはじめとする精密加工プレスNISHII FINE PRESS (THAILAND) Co., Ltd.と自動車用バッテリーの液口栓製造THAI YASHIMA Co., Ltd.が入居しています。それぞれ2ユニット、640㎡の場所を借りており、従業員数は、それぞれ40名と45名です。
視察後の意見交換会では、「大田区の町工場そのものだ」といった声がありました。
③視察2日目
午前は、目黒区の中小企業の現地法人で、ロジャナアユタヤ工業団地内のフレキシブルプリント配線板製造NIKKAN (THAILAND) Co., Ltd.、ナワナコン工業団地内の工業用テスター製造KEW(THAILAND) LIMITEDでした。それぞれの工業団地の所在は、バンコクの北方にあり、2011年のモンスーン期にこれら工業団地のあるチャオプラヤー川流域は、半年にわたって洪水被害があり、企業存続の危機に立たされましたが、現在ではしっかり克服しています。また、将来の洪水被害を軽減するための対策をとっていました。
午後は日本の元総合商社マンで、日本食材の調達・供給会社を経営しているDAISHO(THAILAND) LIMITED社長から、現地での起業の経緯や現地事情等をお伺いしました。社長は、総合商社の営業としてバンコクに米、デンプンの輸入業務で駐在していたところ、当時、世界で寿司ブームが始まり、寿司関連の食材をタイからシンガポールなどに輸出する仕事も取り扱ったとのことです。これを契機に18年前に総合商社を退社し、シンガポールの食材供給会社のDAISHOの一員として、タイでの事業を担当しているとのことです。
④視察3日目
午前中にメークロン線路市場及びダムヌンサドゥアック水上マーケットに行き、その後、食品関係の展示会THAIFEX-World of Food Asia 2017を視察しました。この展示会には、世界中から2,000社以上の出展社があり、約45,000人の訪問者数がある食品関係では世界有数の展示会です。会場は、幕張メッセ級の施設で、9ホールを使っていました。

視察した企業は、離職率の高いタイ人従業員との接し方にノウハウを蓄積しているところと苦労しているところとがありました。この辺りの取組みの違いは、診断士にとって参考になるものがありました。
ツアーを終え、所期の目的を達成すると共に、参加者同士や城南支部の幹部とのコミュニケーションの活発化、城南支部など東京協会の活動への参画意識の醸成にいささかの寄与ができたのではないかと考えています。

17/06/10 15:52 | 投稿者:北島 貴三夫

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