経営コラム
~上質な接客を目指して(2)~ クレームを教訓に接客レベルを高めるノウハウを伝授します

【誠意のある接客をすることは難しい】

顧客から「言葉で謝っていても誠意が感じられない」「誠意を見せてほしい」と言われることがあります。「誠意とは何か」簡単ではありますがポイントを書いておきます。

1.どのような相手に対しても緊張感をもって対応すること

まず、最初に接客対応する場合、年齢、性別、身なりなどで先入観を持って対応してはいけません。外見だけではどのような相手か全く分からないのだから、緊張感を持ち、真摯に対応するべきです。相手を見下した思いがあると、それは即座に態度となって現れ、相手に瞬時に伝わります。その時点で不信感が醸成されクレームの始まりとなるのです。

2.相手の話をよく聞くこと

商品クレーム、接客サービス、行政窓口での相談事など、お客様が来られた場合は相手の話を最後までよく聞く努力をすること、長く横道にそれた話でも、それを途中で遮り終わらせようとするとクレームの勢いは倍増しがちです。相手の心に溜まっているものを吐き出させるつもりで出せるだけ出してしまうと相手はスッキリとして次へ進めやすくなります。十分に話したいだけ話していただき、こちらは聞けるだけ聞くようにしましょう。そして、最終的に「そこまでしていただかなくても結構です」という言葉が出れば十分に誠意が伝わったといえるでしょう。

では、緊張感のない職場の雰囲気が招いたクレーム事例を紹介しましょう。

【事例】接客サービスのクレーム

「店員が私のことを笑った!」(雑貨ショップ A店長、Bさん、Cさん)

朝の作業はすべて終えて、お客様がいつ会計に来られても良いように、BさんとCさんはカウンターで客待ちの待機をしていた。しかし、朝から雨が降り、お客様も少なく、余りにも暇であった為、Cさんは先月の連続休暇で行ったハワイの話をBさんにしたところ、Bさんもハワイが好きで友人と何回も行ったことがあり、ハワイの話で二人盛り上がっていた。そこへ、少し足の不自由な男性のお客様が入ってきた。BさんとCさんは声を揃えて「いらっしゃいませ」と挨拶し、お客様の前でしかも大きな声で楽しかったハワイの話はまずいと思い、声を潜めて話を続けた。しばらくして、そのお客様は何も買わずに帰られた。その時、A店長はショップに不在であった。

お客様もまばらな一日が過ぎようとしていた時、本社の部長から電話がかかってきた。「お客様から苦情の電話で、店員が私のことを見て笑った、非常に不愉快だ!一体どういった教育をしているのだ!もう二度と行かない!と大変な剣幕だが、一体何があった?」電話に出たA店長はBさんとCさんにも確認し、「全く思い当たることはありません、今日は朝からお客様も少なく、来店されたお客様には丁寧に接客をしました」と部長に伝えた。さて、A店長もBさん、Cさんも自分の店のことではないのではないか、他店と勘違いをしているのではないかと思うほど、記憶にないことであるが、間違いなく当店のクレームであった。本社の部長からお客様の連絡先は教えていただいていた。

これから、あなたがこの店の責任者ならどのような行動をとりますか?

 

【解説】「今後、反省して上質な接客をするためには」

A店長はお客様の住所を調べてお客様宅へ直行した。そしてお客様宅に到着すると「このたびは不愉快な思いを与えて誠に申し訳ございませんでした」とまずお詫びをした。するとお客様は電話での剣幕はどこへ行ったのかと感じるほど穏やかで「わざわざ来ていただいてありがとう」と逆にお礼を言われるほどであった。これで一見落着である。

さて、今回のクレームはどこに問題があり、どこを改善すれば上質な接客へとつなげることができるでしょうか?

まず、皆さんも感じているように、職場での私語雑談ですね。特に旅行などの話は楽しく盛り上がるものです。しかしビジネスの場では絶対にしてはいけないことなのです。私自身も買い物に出かけ、店員さんが何かこちらを向いて笑っていたりすると、自分の顔に何かついているのではないか、私のことを笑っているのではないかと感じることがあります。読者の皆さんもそのように感じたことはありませんか?まして今回のケースの場合はハンディのあるお客様です。自分のことを笑っていると強く感じたのも無理はないと思います。私語雑談はプライベートな時間に、スタッフも研修では習っていることと思いますが、どこでお客様は見ているかわかりません、ビジネスの時間であることをキッチリとわきまえましょう。

次に店長の取った行動です。電話でアポも取らずにお客様宅へ直行しました。これをどう評価しますか?私は正しかったと思います。店長は本社の部長から「すごい剣幕で電話がかかってきた」と報告を受けています。一般的に電話ではクレームなど大きくなりがちです、なぜなら声しか届かないからです。姿かたちは見えないから強く出がちになるのです。電話での対応は通常業務でも注意が必要なのです。

今回のケースの場合、直接お客様の所へ行きお話を伺い、お詫びをしようとした態度が誠意としてお客様に伝わったのです。おそらく電話では解決に至らなかったことでしょう。

最後にお客様に誠意を伝えるには何がポイントか、をお話ししたいと思います。一番誠意が伝わらないのはメールです。メールは文字情報だけですから伝わりにくく、相手によっては逆に怒りを倍増させてしまう危険がありますので、メールのみで簡単に済ませようと思わない方が得策です。次に伝わらないのが電話です。声のみで姿かたちは見えないので伝わりにくいのです。やはりフェイストウフェイスで直接お会いすることが一番ですが、メールでも電話でも「直接お会いしてお詫びしたい」など伝えれば、そこで誠意は伝わることとなり、「そこまでしていただかなくても結構です」となる場合が多いものです。ということで、直接お会いしてお詫びするつもりで対応すれば誠意は伝わり、意外と早くに終了できることと思います。

藤田 潔

17/12/31 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:column-post

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