経営コラム
シェアリングエコノミーに商機あり

1.シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーは平成27年版情報通信白書(※1)でも取り上げられており、シェアリングエコノミーという言葉を耳にすることが多くなりました。シェアリングエコノミーは言葉どおり所有する資源を分け合う経済活動ですが、個人間取引が特徴的です。この概念は決して新しいものではなく、例えば個人所有のチケットや電気製品などのオークション形式の売却も対象に入ります。

最近もてはやされているもので民泊も対象となります。大田区では国家戦略特区として民泊サービスがスタートし、区のホームページには「大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)」(※2)として掲載されています。さらに、民泊については、本年3月に「住宅宿泊事業法案(民泊法案)」(※3)が閣議決定され、種々議論の後、2017年6月9日に成立しました。これにより、2018年早々にも全国的な制度として施行される見通しです。規制緩和・撤廃はアベノミクスの柱である成長戦略として推進されているものであり、今後も同様のインパクトある規制緩和・撤廃が行われる可能性は大きいと言えます。

 

2.シェアリングエコノミーの動向

シェアリングエコノミーが発達した背景にはインターネットの発達とスマートフォン(スマホ)の普及があると言われています。そして、これらネット環境をベースとしたプラットフォーム事業者の存在が欠かせません。

利用者は、スマホによりプラットフォームにいつでもどこからでもアクセスし、必要な取引を行うことができます。国家戦略特区として民泊が外国人向けに設定されたのも、インターネットによる仲介が簡単に行えるからです。これを国内一般に広げようという議論が進み、法制化されました。しかし、既存業界との関係やそもそも居住地の住宅建物規制、さらには安全安心の問題とも絡み、どのような形で民泊を提供すればよいのかについては、なお課題となっていると思われます。

世界的には、シェアリングエコノミーはオークションや民泊だけではありません。ライドシェアサービスとして、タクシー事業者ではなく、一般の人がタクシー事業を行うもの(日本では白タク)もあります。これは民泊以上に既存事業であるタクシー業界に大きな影響があり、各国で反対運動も起こっています。まだ日本では一部タクシー配車サービスとして利用されているものの、議論が進んでいないようです。

 

3. 小さな事業者にもビジネスチャンス

シェアリングエコノミーは、まだ認知度は低いようですが、今後大きく伸びる可能性があります。個人対個人の取引を想定していますが、もちろん事業者も参加可能です。そして事業者の方が、ホームページやフェイスブック活用も含め、専門ビジネスとして訴求できるだけの信用力という点でも高く評価されやすいでしょう。

シェアリングエコノミーのポイントは、空いているリソースの活用です。施設・設備の空きの利活用のため、安価で個人ニーズを引き寄せることで、収益拡大、設備回転率の向上、キャッシュフローの改善となる可能性があります。このリソース活用は、実は人的資源でも可能です。クラウドソーシングはその典型ですが、余裕のある人的資源をシェアリングエコノミーの考え方で利活用することも可能となります。クラウドソーシングで、社内に不足する人材確保のため外部人材・企業を取り込むことや、逆に遠隔のニーズに合ったサービスの提供をすることが可能となるのです。地方と東京のビジネスを結び付けるきっかけにもなり得るのです。

規制事業でなければ今からでもシェアリングエコノミーへの取り組みは可能です。これを商機として捉え、企業戦略の一つの切り口と位置付けて検討を開始してみてはいかがでしょうか。

通堂 重則

 

※1:平成27年版情報通信白書

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/pdf/

※2:大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)

http://www.city.ota.tokyo.jp/kuseijoho/kokkasenryakutokku/ota_tokkuminpaku.html

※3:住宅宿泊事業法案(民泊法案)

http://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000318.html

17/06/30 21:00 | カテゴリー: | 投稿者:column-post

このページの先頭へ戻る